山口県下関市にある長州酒造こだわりの酒『天美』シリーズの春季限定『天美 純米吟醸 うすにごり生原酒(桃天)』。
異業種より高い志と固い信念を持ち新規参入した長州酒造にて、女性杜氏藤岡美樹さんが手掛ける話題の美酒。
通称「桃天」の名で親しまれる、ピンクのラベルに、ダイヤの原石のごとく磨かれ宝石に生まれ変わったお米を彷彿させるデザインが特徴的。
今回はそんな『天美 純米吟醸 うすにごり生原酒(桃天)』飲んでみた。
長州酒造
長州酒造は、山口県下関にて2018年に創業した新酒蔵。
銘酒の多い山口県にて誕生したもっとも新しい酒蔵は、異業種である太陽光発電システムなどを製造する長州産業株式会社が新規事業としてスタートさせたもの。
もともとは2017年より始めたチョウザメの養殖がきっかけ、養殖に不可欠な良質で豊富な地下水を求めてたどり着いたのが下関市にあった明治から続く「児玉酒造」。
かつて児玉酒造のあった菊川市には菊川の名水を使った4件の作り酒屋が存在した。
時代の流れと共にその数は減り続け、最後に残った同酒造も後継者がおらず149年の歴史に幕を閉じようとしていた。
廃業を考えているという蔵元の言葉に、なにか運命的なものを感じた長州産業岡本社長。
現状、日本国内向けの日本酒製造の新規参入は免許発行が原則認められていない、そのため児玉酒造の事業を引き継ぐ形で新酒蔵として誕生したのが「長州酒造」だ。
2019年12月26日に新酒蔵が竣工、新たに生まれたのは最新鋭の機器を使った1日2本ペースで仕込みを行える能力を有する四季醸造蔵。
そして杜氏として迎えたのは、女性杜氏の藤岡美樹さん。
三重県松阪市出身の藤岡美樹さん。
微生物の勉強のために東京農大醸造学科へ入学、とあるきっかけで在学中に茨城県の酒蔵を見学したことにより日本酒へのイメージが覆される。
その時の感動がすべての原点。
奈良の「八咫烏(やたがらす)」、香川の「川鶴酒造」、三重の「清水清三郎商店」などの酒蔵に従事した経歴をもつ。
奈良県の酒蔵「八咫烏」にて10年の経験ののち、香川県の川鶴酒造にて2015年には初めてイチから手掛けた『かわつる14』を誕生させ、他にも大ヒットした『ほの苺』や『いりこ酒』、『讃岐くらうでぃ』などを手掛ける。
杜氏として手掛けた「28BY」は、全国新酒鑑評会にて金賞を受賞したほど。
もっとも注目される女性杜氏のひとり。
人気美酒「天美 TENBI」
「微差は大差」をコンセプトに1つ1つの工程に妥協すると無く、実直に小さな工程を積み重ねて生まれたのが『天美』。
天(太陽)の恵みで出来た美しいお酒を意味する。
醸造がスタートする前からこだわりは始まっていた。
なんとそのこだわりは建物や設備にまで至る。
建物に使用する接着剤や防かび剤は低臭・無臭のもの、設備は徹底的な洗浄を毎日行うことで、酒に移る違和感のある匂いは皆無となり、目指していた透き通った味わいの逸品に仕上がったという。
2020年9月に酒造りをスタートし、同年11月にはついに『天美』が完成。
販売開始前から日本酒を愛する人たちから注目されていたこのお酒、お酒に対する想いを伝えることができると認めた全国の約40の特約店でのみ販売されるも、あっという間に完売となった。
果たして無名のできたばかりの酒蔵の酒が売れるのか?と2,000本のみの限定発売をしていたが、そんな心配は皆無の人気となった。
天美 純米吟醸 うすにごり生原酒(桃天)
2021年に春季限定で発売された新作『天美 純米吟醸 うすにごり生原酒』、通称「桃天」は、ピンクのラベルが特徴的な一品。
あまりの人気で手に入れることができなかった人がいるほど。
登場より2年目となる2022年も2月2日より、2月~3月の春季限定出荷が開始された。
さっそくその今年の『天美 純米吟醸 うすにごり生原酒』をゲットしてきた。
詳細
天美 純米吟醸 うすにごり生原酒(桃天)
製造 長州酒造
原料米 山田錦
精米歩合 60%
アルコール度数 15度(原酒)
希望小売価格 720ml 1,700円(税別)
購入したのは2月上旬、2月中旬現在は予約のみ受付で3月入庫のお店多し
ピンクのラベルに「天美」シリーズおなじみの発酵をイメージしたデザインが特徴的。
ポリゴンオブジェクトのようなこのデザイン、まるでダイヤの原石に例えたお米が磨かれ、お酒という宝石に生まれ変わったかのようだ。
繊細で複雑、無限の可能性を秘めた発酵のカタチを表現しているという。
酵母の発酵により生まれた炭酸ガスが含まれているため、要冷蔵のこの商品。
常温の状態で開封すると栓が飛ぶ場合があるので注意が必要だ。
たいちょー
それに気づかずに常温保存していてフタが吹っ飛んで焦ったのは言うまでもない
さっそく日本酒好きな下野国のおいなりさまにも紹介されていた。
その名の通りうすにごりなお酒で、シュワーっと炭酸ガスの奏でる音色とともにリンゴのようなフルーティーな香りが広がる。
コクがありほどよい甘みとほのかな酸味。
舌に広がる心地よい炭酸の刺激とほんのりビターな余韻、さらに喉を抜ける時に炭酸の刺激が引き立ち後味スッキリな味わい。
すっきり爽やかな口当たりがアルコールを感じさせず、のど越し感がクセになるので、あまりの美味しさに飲みすぎないよう注意だ。
最後に
山口県下関にある長州酒造の春季限定のお酒『天美 純米吟醸 うすにごり生原酒(桃天)』飲んでみた。
こだわりにより生まれたお酒は、米の豊かな香りと甘みが存分に引き出された逸品。
微炭酸の刺激心地よく、フルーティーな香りと甘い味わいがコク深く、酸味とビターな余韻が後を引く。
数日おくことで炭酸が抜けてまた一味違った味わいになるというので、その変化も楽しみの一つ。
長州酒造の『天美 純米吟醸 うすにごり生原酒(桃天)』、日本酒が苦手な人も好きになるような1本だった。
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