愛知県犬山市にある人気スポット博物館明治村に行ってみた。
武士階級の支配する封建社会であった江戸時代が終わり、世界に門扉を開き欧米の文化を取り入れて近代日本の礎を気付いた時代明治。
伝統的な日本の木造建築に欧米の近代的な建築様式が取り入れて芸術上、歴史上価値のあるものも沢山あった時代。
その時代の建築物が今もなお現存する場所、それが博物館明治村。
明治村は当時の服装にコスプレして観光できるスポットとしても人気だ。
あまりに広さにあとから行っていない場所がたくさんあったことに気づいたほどで、とにかく効率よく巡らないとどこに行けばいいのか迷うほど。
今回は明治村の紹介ついでに完全攻略のための効率よい順路ごとに解説したいと思う。
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目次(タップできる)
博物館明治村
敷地面積100万㎡、南北に1.1km、東西620mという広大な土地にある明治村。
移設展示されている建物はなんと67種類におよび、その中には重要文化財が12点も存在する。
江戸時代から継承された伝統的な木造建築と欧米様式の石造・煉瓦造の洋風建築が出会った時代、いわゆる貴重な神社仏閣などが作られた飛鳥・奈良と並ぶほど文化史上とても重要な位置を占めるほどの建築物も多い時代。
そんな時代の遺産も震災や戦災で失われ、戦後の高度成長期には次々と取り壊されていった。
それを惜しんだ当時の明治村初代館長と元名古屋鉄道会長の2人の強力のもと、その保存のために創設されたのが、ここ明治村だ。
明治村に行ってみた
今回訪問したのは9月の連休2日めの23日。
とてもよい天気で30℃を超える暑い日だった。
名古屋駅付近からレンタカーを走らせること1時間、山を登った先にあったのが明治村の入り口。
辿り着いたのは北口。
駐車料金を支払い、さらに山道を走ること1、2分。
その敷地の広大さを思い知らさせる。
600台ほど駐車可能なもっとも大きい北口駐車場には、開村時間の9時半ではまだ40台ほどの駐車だった。
2時間ほどで撤収したが、その時にはほぼ満杯状態に近かったほど。
想像以上の人気っぷりだ。
チケット売場にはすでに30名ほどの行列ができている。
チケットカウンターはいくつもあるので結構スムーズに進む。
チケット売場で袴姿の女性の人が受付してくれる。
10分ほどで園内に入ることができた。
待つのが嫌な人はあらかじめチケットを購入してから訪問するといいだろう。
丁度イベントも開催中のようだ。
ここから林道を歩き坂を下ること数分。
SL東京駅売店
最初に姿を現すのはSL東京駅売店。
村内ではバス、蒸気機関車、京都市電で移動をすることができる。
蒸気機関車の発着場があるので駅売店という名前なわけだ。
売店前ではタイミングがよければ蒸気機関車を目の前で見ることができる。
想像していた以上に広大なマップだ。
ここに来たいと言い出した同行者のマインは1時間で巡る想定でいたようだがとんでもない。
これはここだけで1日過ごしてもおかしくないレベルだった。
ひとまずは駅売店に入ってみる。
駅売店という名前だが、要するにお土産売り場になっている。
定番お土産から民芸品、明治っぽいお菓子など品揃えは豊富。
帰り際に利用するといいだろう。
そして売店を抜けると左手にあるのがSL東京駅のチケット売場。
石炭の燃える独特なにおいと黒煙を吐きながら走る姿はガチだ。
ここから地下通路を通り、林の中をまた数分歩く。
ここまででチケット売場から10分は過ぎていた。
村内にはいるものの、実はまだ村の郊外までしか辿り着いていない。
明治村5丁目
最初にやってきたのは明治村の5丁目。
どうやらこの村は湖畔沿いにあるようだ。
この段階でめちゃくちゃ広いなと圧倒されたしまったが、ぶっちゃけこれでも5丁目の一部分しか見えていない。
その一角にあるインフォメーションセンターもいかにもそれっぽい。
帝国ホテル中央玄関
まず最初は帝国ホテル中央玄関。
東京都千代田区内幸町に大正12年(1923年)に建てられたもの。
存在感がハンパない。
アメリカの建築家フランク・ロイド・ライトにより設計されたもので、大正12年に4年間の工事ののちに完成した帝国ホテルの玄関部。
外観は大理石と煉瓦により作られた建物で内部には鉄筋コンクリートなども使用されているという。
とても複雑な造形で立体的。
なにせ100年近く前の建物だけに、移設のさいに風化の激しい大理石に代えて現代の新建材も使われているというが、そんなことはまったく気がつかないほどの風格だ。
入り口には行列ができていると思ったらどうやらイベントを開催しているようだ。
思わず入場待ちの行列と勘違いして並びそうになったが、さっそく中へ入ってみる。
赤い絨毯の敷かれた中央ホールにはホテルの中央玄関らしくソファ席がいくつもある。
そしてホールは3階まで吹き抜けになっていて解放感がハンパない。
すべての階は吹き抜けを囲むように作られ、外観と同様に内部も細部までこだわった複雑な造形になっている。
館内にはさまざまなオブジェや家具や食器が展示されている。
内部の造形もなかなかにスゴイ。
イベントの謎を解きながら館内を巡れる仕組みになっているようだ。
ところどころに謎解きアイテムなどが配置されている。
そのまま巡ると飽きてしまいそうなので、謎解きしながらだと楽しいかもれしない。
帝国ホテル喫茶室
2階の一角にあるのが帝国ホテル喫茶室。
ドリンクだけでなく、サンドイッチやケーキなどもあるらしい。
せっかくなので休憩してみることにした。
席から見る景色もなかなかだ。
こういうところで飲むアイスコーヒーはどことなく贅沢に感じる。
12月1日~2月末の平日は休み(正月は除く)
主なメニュー
コーヒー 500円
紅茶 500円
オレンジジュース 500円
明治村浪漫麥酒(ろまんばくしゅ) 650円
ケーキ 500円
ケーキセット 950円~
名鉄岩倉変電所
続いて名鉄岩倉変電所。
愛知県岩倉市下本町に明治45年(1912年)に建てられたもの。
ちなみに裏側から撮影。
名古屋電気鉄道の犬山線開通にともない建てられた変電所で、内部には高価で大きな変電用機械を設置することから背の高いレンガ造りの建物となった。
背面だけが作り手の遊び心の活かされた面白い作りになっている。
帝国ホテル中央玄関前芝生広場
変電所の前、帝国ホテル中央玄関前の芝生広場はグルメスポットになっている。
美味そうな食べ物に目にいってしまい、変電所見るのを忘れたのは言うまでもない。笑
緩やかな坂になった芝生エリアにはオープンテラス席があり、その芝生エリアの周囲にはいくつかの飲食店が店を構えている。
食道楽のコロツケーの店
そんな中で注目したいのが、常設店である食道楽のコロツケーの店。
ここでオススメなのは、明治時代にベストセラーになった愛知県出身の小説家 村井弦斎による恋愛グルメ小説「食道楽」に登場する材料・調理法を元にして再現、アレンジされたコロツケー。
さっそくテラス席で食べてみた。
これが挽肉のコロツケー(180円)。
アツアツサクサクでトロトロクリーミー。
コクがあり濃厚なデミグラスソースは挽肉たっぷりで玉ねぎはトロトロ。
これは必食の一品といってもいいんじゃないだろうか。
営業時間
10:30~17:00(LO16:30)
主なメニュー
挽肉のコロツケー 180円
挽肉と馬鈴薯のコロツケー 180円
海老のコロツケー 180円
五福屋の串かつ 300円
コーヒー 300円
ソフトドリンク 250円
ソフトアイス 380円
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内閣文庫と皇居正門石橋飾電燈
広場から左手の坂道を上った先にあるのが、内閣文庫と皇居正門石橋電飾燈。
※奥側から撮影
皇居正門石橋電飾燈は東京都千代田区千代田の皇居正門の石橋に設置されていたもので、明治26年(1893年)に作られた。
その後、昭和61年9月に鋳型を取って新しく鋳造され交換されたさいのうちの1基が払い下げられた。
奥に見えるのは内閣文庫。
と東京都千代田区千代田に明治44年(1911年)に建てられたもの。
赤坂離宮内に大政官文庫という名で開設された明治政府の中央図書館。
本格的なルネッサンス様式のデザインは、明治のレンガ・石造建築の模範となるもの。
高台からは帝国ホテル前の広場がこんなに遠くに見える。
とにかく広すぎる。笑
内閣文庫内は世界のミニチュア建築展になっている。
同行したマインはきっとここで50枚以上は写真を撮ったに違いない。
川崎銀行本店
内閣文庫のさらに奥側にあるのが川崎銀行本店。
東京都中央区日本橋に6年の工期を費やしたののち、昭和2年(1927年)に建てられたもの。
ルネッサンス様式を基調とした建物で、当時の銀行建築の代表的な建物。
川崎銀行は明治13年に設立した銀行で、2度の改名ののちに三菱銀行と合併した。
長い間日本橋のシンボルとして親しまれてきたが、昭和61年の建て替えにより取り壊さることとなった。
その旧建物の正面左側角の外壁部分がここに移設された。
中には当時のものが展示されている。
隅田川新大橋
川崎銀行本店から大明寺聖パウロ教会堂(行くのを忘れた)を抜け下り道を進んだY字路を右手に進んだ先にあるのが隅田川新大橋。
東京都中央区浜町に明治45年(1912年)にかけられたもの。
隅田川に架けられた明治の五大橋のひとつで、五大橋の中で一番最後に架けられた橋であり、関東大震災の折に唯一残った大橋。
当時は全長180mあった橋の一部(25m)で、細かい鉄材を組み合わせた繊細なアールヌーボー風の装飾が特徴的だ。
ちなみにトラックは作業中らしくせっかくの美観を損ねているのが残念だ。
金沢監獄正門
隅田川新大橋から少し戻りY字路を右手に進み、つきあたりを見右手に進むとあるのが金沢監獄正門。
石川県金沢市小立野に明治40年(1907年)に建てられたもの。
明治5年に公布された監獄則並図式の公布にともない近代的な監獄として作られたもので、高い塀に囲まれたなかで唯一西面に開けられていたのがこの門。
当時流行であったレンガ造りに石の帯状装飾が特徴的。
丁度通りががった村内バスがなんか絶妙にマッチしている。
天童眼鏡橋
監獄正門を抜けるとかかる橋が天童眼鏡橋。
山形県天童市天童に明治20年(1887年)に作られた。
かつては多嘉橋と呼ばれ、幅7.7m、長さ13.3mある。
離れたところから見るとこんな感じ。
小那沙美島燈台
眼鏡橋右手にあるのが小那沙美島燈台。
広島県佐伯郡沖美町、広島湾から瀬戸内海への出口にある宮島の脇の小さな島である小那沙美島に明治37年(1904年)に建てられた。
軍事上、産業上重要な位置にあり、わずか3か月で建造された。
その高さはわずか7mほどで、光度は60燭光で光の届く距離は約10kmほどだった。
東京駅警備巡査派出所と金沢監獄中央看守所・監房
監獄正門の先、眼鏡橋を渡ると左手に見えてくるのが中央に東京駅警備巡査派出所、その右手に金沢監獄中央看守所・監房、左手に前橋監獄独居房。
独居房は修繕中だった。
東京駅警備巡査派出所は東京都千代田区丸の内に大正3年頃(1914年)東京駅が誕生したさいに作られたもの。
品川を起点としていた東海道線を延長し、中央停車場を建設する大工事がされ、そのさいに東京駅と命名、駅との調和をはかるためにこのように設計された。
金沢監獄中央看守所・監房は、石川県金沢市小立野に明治40年(1907年)に建てられた。
当時は中央に八角形の看守所が置かれ、そこから5つの舎房が放射状に配置されていた。
移設されているのはその一部だが、当時の形を十分うかがえる。
前橋監獄雑居房は、群馬県前橋市南待ちに明治21年(1888年)に建てられた。
監獄則並図式に沿って十字放射式配置の舎房が作られ、和洋折衷の面白い構造になっている。
ちなみに今回は時間の都合で中は見学せずにスルーした。
宮津裁判所法廷
金沢監獄の裏手、帝国ホテルから見ると右手付近に見えるのが宮津裁判所法廷。
前記のインフォメーションセンターの右手に見えるのがこれ。
京都府宮津市本町に明治19年(1886年)に建てられたもの。
明治元年に立法・行政・司法の三権分立が行われ、司法省や裁判所などの整備が進む、そんな司法制度確立期に建てられたのが宮津裁判所。
その一部、刑事法廷棟が移設されている。
内部では当時の様子が再現されている。
村内バスのバス停があるからてっきり待合所と勘違いしていた。笑
高田小熊写真館
裁判所の右手を奥に歩くとあるのが高田小熊写真館。
新潟県上越市本町に明治41年頃(1908年)建てられたもの。
当時は文明開化の花形職業として高い収入と大きな名声を得ていた写真師。
この建物は豪雪地として知られる、日本スキー発祥の地である越後高田に建てられた。
人工照明の無い時代にいかにして光量を調節するか苦労の様子がうかがえる。
内部では当時の姿が再現されている。
明治の洋食屋 オムライス&グリル浪漫亭
写真館から進むと菊の世酒造(今回スルー)があり、さらにその先に進むとあるのが明治の洋食屋オムライス&グリル浪漫亭。
省略しつつ進んだが、9時半入村で普通に見学しながら歩けばここまでで11時半くらいになる。
ここで昼飯もいいかもしれない。
営業時間
10:30~17:00(3月~10月)
11:00~16:00(11月~2月)
※ラストオーダー フード閉店60分前/ドリンク・デザート30前
主なメニュー
オムライス 900円~
明治のカレーライス 900円
洋食屋さんのハヤシライス 950円
バーグ&グリルチキンプレート 980円
聖ザビエル天主堂
5丁目最後にある白亜の教会堂は聖ザビエル天主堂。
京都市中京区河原町三篠に明治23年(1890年)に建てれらた。
フランシスコ・ザビエルを記念して、ザビエルのいたことのある京都の地に献堂されたカトリックの教会。
入り口に人が集まっていると思ったら結婚式の真っ最中だった。
内部はとても幻想的。
※入り口付近までなら見学はOKらしい。
5丁目攻略ルート
つづく
そんなわけでやっと最初のエリアである5丁目を巡り終えることができた。
しっかりとひとつひとつ巡るなら2時間は欲しい。
途中飲食もすれば2時間ではとてもじゃないが足りない。
村内全部を1時間で巡ろうとしていたというから無計画にも程がある。笑
あまりにも広大すぎるので、今回はひとまずここまで。
次回に続く。
博物館明治村
住所 愛知県犬山市字内山1番地
TEL 05688-67-0314
開村時間 4月~7月、9月、10月 9:30~17:00
8月 10:00~17:00
11月 9:30~16:00
12月~2月 10:00~16:00
3月 9:30~17:00
※入村は閉村時間30分前まで
※その他変更あり
休村日 30年12月17日、18日、25日、31日
31年1月7日~11日、21日、28日
31年2月4日、18日、25日
※平成30年版
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