毎年、このシーズンがやってくると、どこもかしこも土用の丑の日はうなぎを食べよう的な話題で賑わう。
テレビをつければニュースやCMでは鰻の話題、スーパーに行けば特売セールののぼりがあったりと、気にしていないつもりでも自然と目に入ってきてしまう。
日本のこの蒸し暑い夏にスタミナのつく鰻を食べて乗り切ろうという意味合いもあるわけだが。
実際うなぎにはビタミンが豊富なので、食欲不振の解消や夏バテ予防には最適な食べ物である。
そもそも土用の丑の日にうなぎを食べようという習慣はいつからなのか?
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土用の丑の日に鰻を食べる由来
諸説あるものの、一番メジャーなのは、平賀源内が発案したというものである。
当時、夏にウナギが売れなくて困っていた鰻屋が、平賀源内に相談をした時に「本日丑の日」と書いて、店頭に貼るように勧めたという。
丑の日は災難が多いとされていて、その災難から逃れるために「う」の付く食べ物を食べるとよいとされてきた。
そこでうなぎ屋の店頭に「丑の日」ということをアピールすることで、自然と鰻を求めてお客が集まりだし、それが他の鰻屋にも広まった。
その後、夏の土用の丑の日には鰻を食べるという習慣が定着していったと言われている。
現代は養殖業者のステマ
元をたどればうなぎ屋のステマなわけだが、
現代までその風習は続いているわけで、そこに養殖業者など企業が夏以外の土用の丑の日にも鰻を普及させようという動きがある。
バレンタインのチョコであったり、恵方巻きなど企業のステマが成功した例はたくさんあるが、新たに鰻を食べるという習慣を根付かせようというわけである。
土用の丑の日
どうして鰻の新たな普及を狙っているのか。
それは土用の丑の日は年に1回だけではないからである。
土用はそれぞれ立春、立夏、立秋、立冬前の18日間となるために、必ず年に4回やってくる。
そして丑とは干支のことのなので、12日周期で丑の日が再びやってくることになる。
18日間のうち最初の6日間の間に丑の日があれば、2回土用の丑の日があることになる。
そして今年2015年は、最初の丑の日が7月24日なので、12日後の8月5日にもう一度丑の日がやってくる。
今年は合計すると6回の土用の丑の日があることになる。
だから、鰻業界は土用の丑の日を年間通して普及させたいというのも商売としては至極当たり前のことである。
うなぎのおいしい旬はいつ?
うなぎは冬眠する動物なので、晩秋から初冬にかけては脂が乗っていて一番おいしい季節になる。
なので秋から春がうなぎをおいしく食べられる季節といえる。
そして夏は活発的に動くので、脂も落ちてしまいうなぎがおいしくない季節と言われている。
夏場の鰻は美味しくないから、鰻屋への客足が遠退いてしまう。
なので困り果てて平賀源内に相談をしたという話になるわけだ。
養殖ウナギはいつでも安定
当然ながら季節によっておいしさがかわるのは天然の鰻だけである。
養殖ウナギは通年通して安定した味を提供しているので、どの季節でも同じ味で食べることができる。
一昔前なら中国産が主流だったが、あの土臭い味がどうも苦手で養殖うなぎはいまだに食べることができない。
どうしても効率を重視してしまいっている都合で、脂ののりも悪く、生餌でないためにお世辞にも旨いとはいえなかった。
ところが同じ養殖でも台湾産の養殖うなぎは年月をかけてじっくりと育てるために、日本産などの効率重視のものよりも数段おいしいものとなっている。
そして現在の主流はヨーロッパ産となり、安価で肉厚なおいしいものが流通するようになった。
これから養殖技術が発達していけば、いつの日か旬のうなぎにも勝るとも劣らない養殖うなぎが登場することもあるかもしれない。
うなぎは老舗に限る
基本的にうなぎは子供の頃に食べた土臭い養殖うなぎのせいで苦手になってしまった。
しかも小学生の時に給食に出てくるので嫌でも食べないといけない。
それがうなぎ嫌いを後押ししたといってもいい。
そんなトラウマもあって小学生の頃以来、つい数年前までは「う」の付く食べ物でごまかしていた。
そして数年前のこと、なんとなくちゃんとしたお店でなら鰻を食べられるんじゃないか?と思って割烹料理屋に食べに行ってみた。
その時の鰻の旨さときたら衝撃的だった。
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この時期には鰻の食べられるお店はどこでも混雑する。
当然ながら業者も売れるのだから値段をつり上げるのは仕方ないこと。
当然ながらチェーン店などといった類の店では、値段が上がれば質を下げるという選択肢を選ぶことになる。
だからそういったお店では絶対に食べようとは思わない。
ならばどこで勝負をするか?
やはりそこは老舗の技なんじゃないだろうか。
焼き方から味付け、そこがすべての決め手になると思う。
値段を変えず、質も変えずに最高のモノを提供し続けるというお店なら、少々高くても上とか松とかを注文してもいいくらいだ。
まとめ
土用の丑の日に夏バテ予防に美味しいうなぎを食べたいならそこそこしっかりとしたお店を狙おう。
下手に適当なお店で鰻を求めると、忙しさで焼きが雑になったり、安い鰻だったりするの場合もあるので注意が必要。
今年の夏は土用の丑の日があと1回ある。
お店で食べるつもりの人は前日予約、家で食べるならネットでおいしい鰻を注文するなどして美味しい鰻を堪能しようではないか。