麺堂HOMEで不定期開催される「隠れ家HOME」。
通常メニューをすべて封印し、栃木店主夫妻だけで営業する(基本的に)この日限りのいつもと違った特別な空間を体験できるイベント。
今回はその中でも特別で、2023年4月23日に惜しまれつつ無期限休業となった長野の名店「中華蕎麦 ほし乃」の味を受け継ぐ一杯を提供。
今回はそんな『ほし乃イズム』な一杯を味わうべく隠れ家HOMEに行ってみた。
麺堂HOMEの隠れ家HOME
今回訪問したのは栃木県栃木市片柳町、栃木駅北口より徒歩5分のところにある「麺堂HOME」。
長野の名店「麺道麒麟児」の創始者であり、先日惜しまれつつ無期限休業となった「中華蕎麦 ほし乃」店主である星博仁氏直伝の純鶏系スープ駆使したこだわりの一杯が名物のお店。
ちなみにかつて小山市にあった「虹の麺」の創始者も星氏、二代目店主として後を引き継いだのが、現麺堂HOME店主の栃木歩氏。
麒麟児一門として数々の名店店主を輩出、栃木県内にも数軒の「星イズム」を継承するお店が存在し、そのひとつが「麺堂HOME」。
淡麗系から濃厚鶏白湯など、鶏にとことんこだわり追求された一杯が人気だ。
ミスチル好きな店主がHOME(家)のような場所を目指してオープンしてから、みんなに愛され11周年を迎える。
今回の「隠れ家HOME」では、『ほし乃イズムを受け継いでくるため』に「中華蕎麦 ほし乃」無期限休業前の3月に2泊3日の弾丸修業にて習得した「技術」「空間づくり」「接客の間合い」「経営の考え方」といった数々の学びをもとに行われた。
アクセス
アクセス詳細
住所 栃木県栃木市片柳町1-2-38
車 東北道「栃木インター」より4.54km(10分)
電車 栃木駅「北口」より350m
駐車場 蔵の街マンション南側駐車場共有
隠れ家HOME行ってみた
既訪店への再訪が厳しくなってから幾年月、実に4年半ぶりとなる「隠れ家HOME」への訪問だ。
ジャズ流れるシックで大人な雰囲気漂う店内。
今回提供されるのは「ほし乃イズム」を継承した次の品々。
熟成醤油そば(特製)
今回チョイスしたのは、『熟成醤油そば』の特製。
熟成醤油そば(特製)には、鶏モモ肉の炙りチャーシュー、鶏チャーシュー、低温チャーシュー、九条ネギ、味玉、超超極太メンマ。
そして低温チャーシューの上に添えられた、七味なめたけ。
別添えは、イベリコ豚肩ロースの低温調理とバラ肉の炙りチャーシュー、穂先メンマ。
まずはスープからひとくち。
黄金で透明度の高い鶏油が浮かぶスープ。
小豆島産の「鶴醤(つるびしお)」をはじめとした全国から厳選し取り寄せた5種類の醤油をブレンド、深いコクとまろやかさを追求したそう。
口に含むと醤油の芳醇な香りと味わいが広がる。
鶏油は濃厚でクセなく上質な味わいで、鶏のダシの旨味とカエシのコク深くまろやかな味わい合わさる甘い余韻がいつまでも続く。
麺は細麺ストレート。
ズズッと啜れば、スープの絡みよく芳醇な香りが鼻腔を抜け、同時にコク旨なスープの風味が口の中に広がる。
プリモチ食感な噛み応えで、のど越し感も心地よい。
噛むほどに小麦の旨味あふれる。
鶏モモ肉の炙りチャーシューは噛み応えがあり、焼き目芳ばしく、噛むほどにジューシーな肉汁と旨味があふれだす。
七味唐辛子の和えられた七味なめたけを合わせて食べてみよう。
なめたけの濃密な旨味と七味のピリっとした辛みのみアクセントに、スープの味にも深みが増す。
全体に混ぜてしまうのではなく、都度食べる箇所に添えつつ軽くスープになじませて食べるのがベストなようだ。
九条ネギのシャキシャキとした食感と風味のアクセントが醤油スープにマッチして、スープのポテンシャルをさらに引き上げる。
低温チャーシューも味わってみよう。
程よく熱が入って柔らかく溶けるような口当たり。
醤油スープの風味を吸って絶妙な味わいに。
鶏チャーシューはしっとり柔らか。
超超極太メンマはザクザクとした食感がたまらない。
箸休めに味玉も味わってみよう。
使用しているのは那須御養卵。
白身は箸で持てるギリギリの柔らかさで、プツンという心地よい噛み応えとともになかなか濃密な卵黄がドロリとあふれ出す。
卵黄はコク深く甘味がある上質な一品。
別添えの穂先メンマはサクサクとした食感心地よく、スープとの相性も抜群だ。
イベリコ豚肩ロースの低温調理は、熱が入りすぎないよう軽くスープに浸してから一気に頬張る。
溶けるような口当たりで、噛むほどに脂の強い甘みが口の中に広がる。
薄切りながら一気に頬張ることで、肉の旨味もしっかり感じることができる。
バラ肉の炙りチャーシューは、程よい噛み応えに噛むほどに旨味があふれる。
焼き目芳ばしく、脂はトロリと柔らかい。
至高の純鶏系な一杯だった。
ウニ・いくら・牛の三重奏
本日のごはんものは『ウニ・いくら・牛の三重奏』。
いくらにウニ、牛トロフレーク、九条ネギ。
味付けは雲丹醤油だろうか。
さっそくひとくち。
牛は口に含むとトロリと溶け、いくらの濃厚な旨味と合わさり旨味が爆発する。
濃厚でクリーミーなウニがご飯との一体感を演出、雲丹醤油の濃縮した旨味とコク深さに芳醇な香りが鼻腔をぬける。
上質なラーメンにふさわしい、上質な一品だ。
トリュフの和え玉
そして〆はトリュフの和え玉。
細かく刻んだ黒トリュフ、チャーシュー、九条ネギがトッピングされている。
麺に具材を和えて、残しておいたスープに投入。
スープに加えると黒トリュフの香りが一気にあふれだす。
トリュフの風味が加わることで、スープのコクと旨味も倍増し、啜るたびに芳醇な香りが鼻腔を刺激。
いっきに別次元の味へと進化する。
まさに究極の味変。
ただでさえ完飲誘うスープだったのに、もう完飲不可避。
最後の一滴まで堪能しごちそうさま。
最後に
麺堂HOMEで2023年4月27日に開催された、隠れ家HOMEに行ってみた。
ほし乃イズムを受け継ぐ一杯は、上質なカエシに丁寧に炊きあげられた鶏の旨味合わさる至高の味わい。
トッピングすべてにおいても上質。
ほし乃は無期限休業になってしまったけれど、この一杯に出会うことができてよかった。
そして麺堂HOME11周年おめでとうございます!!