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割烹きよみ(ふぐ きよみ)。栃木県佐野市の知る人ぞ知る ふぐ料理の隠れた名店

2024-02-14

栃木県佐野市に知る人ぞ知る、フグ料理の隠れた名店がある。
割烹きよみ(ふぐ きよみ)。

海なし県でふぐ料理と侮るなかれ、かつて東京九段下にあった名店の名人より教えを受けた店主が腕を振う。
絶品フグ料理をリーズナブルに味わえる注目のお店だ。



割烹きよみ(ふぐ きよみ)

今回訪問したのは栃木県佐野市富士町にある割烹きよみ(ふぐ きよみ)。

海なし県栃木で絶品フグ料理を味わうことのできる、知る人ぞ知る隠れた名店。
佐野市民でさえ知らない人がいるほどで、佐野市が誇るべき名店のひとつだ。

店主の清水氏が奥様と一緒に切り盛りするお店。
向島など都内でふぐ調理師として腕を振るっていた経歴を持ち、今年2024年6月で創業45周年を迎える。

かつて東京九段下にあった名店「ふく源」、そこで料理人を務めていた名人と呼ばれる三井氏より教えを受けた経験(半世紀前だそう)を持つ店主が腕を振るう。
お店で食べられる雑炊は、三井名人の味を継承しているという。
ふく源のランチの味を再現し、手軽にふぐの美味しさを感じることができるのはここだけ。

創業当初は24歳で自分のお店を持つも、海無し県の栃木しかも佐野市の山の中という立地もあって、なかなか地元で受け入れられなくて苦労をしたそうだ。

天然物のふぐのコースが1万円台で食べられるという破格の安さは、捌くところから全部自分でやっているから実現できているという。
それだけ負担が大きい分、高齢ともなるとその苦労のほどが伺える。
それでも安く提供しようという心意気は、三井名人の想いを受け継いだ店主だからこそ。

駐車場

駐車場は店舗前に6台ほど駐車可能。

割烹きよみの店内

年季を感じさせる店内。
割烹料理屋然とした雰囲気漂い、店内入るとる入り口横には水槽が鎮座する。

この日はフグが泳いでいる姿は見られなかった

右手奥に厨房、その手前のカウンターには雑多なものが置かれている。
こういうところにらしさを感じるのがたまらない。

よく見ればフグの剥製やフグ提灯なども。

右手の小上がり席に座卓が1卓、左手にはテーブル席が2卓。
2階にも宴会席があるようだ。

左手は座敷の個室があり、テーブル席と座卓の2部屋になっている。

割烹きよみのメニュー

備考

天然とらふぐコースにつき、白子コース(3,300円)を追加可能。
※要予約



天然物とらふぐのコースを堪能する

5日ほど前にあらかじめ予約を済ませ、訪問したのは2024年2月14日の夜。
同時間帯に他の予約は無く貸切状態だ。
※記事に含まれるすべての情報は訪問時点のもの

2023年6月よりスタートした「ゲストと巡るグルメスポット」。
今回のゲストは山﨑友里江さん。

ゲストと巡るグルメスポット

館林ケーブルテレビのアナウンサーである山﨑友里江さん。
東京都三鷹市出身。北関東でアナウンサーを生業とし、イベントの司会なども務める。
NHK契約キャスターを経て、2022年5月まで栃木ケーブルテレビ在勤、現在は館林ケーブルテレビに在勤。
ミス館林フラワーレディを務めた経歴も持つ。

お酒にコーヒー、お花や温泉に本、料理、キングスライムが好きだそう。
X公式アカウント:@yurie_yamazaki8
Instagram公式アカウント:@yurie_slime

今回いただくのは天然物とらふぐコース+白子コース。

コース内容

  1. フグ皮煮凝り
  2. てっさ
  3. 肝酢・ポン酢
  4. 焼き白子
  5. 白子天ぷら
  6. フグ唐揚げ
  7. てっちり
  8. 雑炊
  9. 水菓子

とらふぐコースの売りはなんといってもその価格設定。
上養殖(1人前5,000円)から特上内海物(豊後水道・玄界灘〜1人前30,000円)まであり、季節によっては並養殖(2人前6,000円)といったリーズナブルな価格からふぐを堪能することができる。
近年では非常に少なくなったという、ふぐのまな板(解体)ショー付き(2人前50,000円)といった特別なコースも。

まずはお酒で乾杯。

フグ皮煮凝り

一品めはフグ皮煮凝り。

フグ皮煮凝りとは、フグ皮の天然のゼラチン(タンパク質コラーゲン)を煮詰めて固めたもの。

醤油の琥珀色が美しい。

プルンとした口当たりで、口に含むとさらりとほぐれる。
フグ皮のプリプリとした食感のアクセントも心地よい。

てっさ(ふぐ刺)

2品目はてっさ(ふぐ刺)。

フグの身、皮(鉄皮てっぴ)、遠江とおとうみ身皮みかわが盛り付けられている。

絢爛豪華な大皿の模様が透けるほど薄くひかれた身が美しい。

ふぐの皮について

  • 皮(鉄皮)
    ふぐの外側の皮のことで、トゲなどを除去した部位。
    弾力がありコリコリとした独特の歯応えが特徴的。
  • 遠江
    皮と身の中間にあるゼラチン質を豊富に含んだ皮のこと。
    もちプリとした食感が特徴的でコラーゲン豊富。
  • 身皮
    身を包む粘膜質の薄皮のこと。
    身にもっとも近い部位のため旨みも豊富。

肝酢や刻んだ浅葱がたっぷりのポン酢につけたり、寸ネギに巻いていただく。

てっさで寸ネギを包み、ポン酢につけていただいてみよう。

薄くしたことで本来は筋肉質な硬い身が、シャキシャキと心地よい食感に。
ポン酢の柑橘系の爽やかな香りと酸味、醤油のコクと昆布の出汁の旨みとほんのり甘みがいい。

今度は肝酢で。

あん肝を裏漉しポン酢と合わせたもの

アンキモ特有のクセはあるものの、濃厚なコクと旨みがありポン酢の酸味が絶妙。
てっさの旨みを引き立ててくれる。

寸ネギの風味とシャキシャキ感もよいアクセントで、アンキモのクセも和らげてくれる。

遠江はコラーゲンたっぷりで女性に人気の部位。

もちもちプリプリとした食感が面白い。

焼き白子

白子コースの一品目は焼き白子。

軽く塩が振られてる。
焼きめ香ばしく、中はトロットロ。

2月は白子が一番美味しい季節。
濃厚クリーミーで口の中にコクと旨みがあふれだす。

あまりの旨さに目も開き、新たな美味しさの扉が開いた瞬間である。

レモンを絞ると柑橘系の爽やかなアクセントがきいてマイルドな口当たりに。

開華 生吟醸

美味しいふぐ料理に合わせるのはやはり日本酒。
栃木県佐野市の蔵元第一酒造の開華 生吟醸。

甘くてフルーティーですっきりとした口当たり。
日本酒が苦手な人でも飲めるような飲みやすい味わい。

白子の天ぷら

白子コースの2品目は白子の天ぷら。

軽く塩が振られている。
そのまま食べても、レモンを絞って食べてもいい。

外はサクッと中はクリーミーで、食感のアクセントがクセになる。

口の中に溶けるようで、軽くふられた塩気が絶妙だ。

ふぐの唐揚げ

ふぐコース4品目はふぐの唐揚げ。

ふぐといえば唐揚げは外せない絶品の一品。
揚げたての香ばしいかおりに食欲もそそられる。

口に含むと香ばしいかおりが広がる。
カラっと揚がったサクサクの衣に中はふんわり。

かまの部位なので、骨の近くは弾力があり旨みもより濃厚。
噛むほどに旨みがあふれ、衣の塩味と香ばしさが旨みを引き立てる。

レモンを絞るとより一層旨さ引き立つ。

てっちり+白子

コース5品目はてっちり。

具材はふぐに豆腐、えのき、椎茸、ネギ、白菜、春菊。
白子コースではさらに白子がトッピングされる。

まず最初に軽く火が通った白子からいただく。

浅葱たっぷりのポン酢にもみじおろしを加え、白子を浸してひとくち。

とても柔らかくトロリとした口当たりで、口の中で溶けるよう。
濃厚なコクと旨みがたまらない。

焼きに揚げ、煮込みと3種の味わい方はどれも白子の旨みを引き立てている。

ふぐの身は弾力があり、噛むほどに旨みがあふれる。
野菜などの具材も旨みを吸っている。

雑炊

てっちりの〆といえば雑炊。

白米を加えて調味、煮込みの仕上げに溶き卵、浅葱を添えたもの。

熱々のうちにいただこう。

熱々ホクホク。
ふぐなど出汁の旨みを吸収した米が抜群に旨い。

フワトロな溶き卵のコク、浅葱の風味のアクセントがいい。
お腹いっぱいだけどぺろりといける。

味変にアンキモを加えるのもアリ。

水菓子

〆のデザートは水菓子。

手前がとちおとめ、左奥がとちあいか、右はパイナップル

ほどよく酸味のあるとちおとめ、甘くてジューシーなとちあいか。
とちらも栃木県産のいちごだ。

とても甘いパイナップルも美味しい。

最後に

栃木県佐野市にある隠れた名店「割烹きよみ」。

かつて都内にあった名店の名人仕込みの本格ふぐ料理を味わうことができるお店。
都内では想像もつかないようなリーズナブルな価格帯で提供し、1万円台でお腹いっぱいにフグ料理が堪能できる。

創業40余年だけあり外観は年季が入っていて、店舗横には壊れた冷蔵庫などが雑多に置かれていたりと初見では躊躇しそうだが、そういうことに惑わされてはいけない。

是非一度、その味を確かめてほしい。

割烹きよみへのアクセス・店舗詳細

お店詳細

割烹きよみ
住所 栃木県佐野市富士町235
アクセス
 車 東北道「佐野藤岡インター」より5.2km(13分)
 電車 両毛線・東武佐野線 佐野駅「北口」より
駐車場 店舗前6台ほど
TEL 0283-24-6933
営業時間 12:00~14:30/18:00~22:00
定休日 月火※予約の無い日は休みの場合あり・祝日、予約時は営業
予約 12月~3月中旬の昼要予約・フグコース要予約
支払い 現金のみ


たいちょー

栃木で活動する雑記ブロガー。 栃木県の観光に役立つグルメやスポット情報を中心に紹介 | 栃木のグルメ・観光情報の発信(たまに他県も)/気になったことを自由にダラダラ綴ります | 社畜ゆえ多忙になるとメシネタ過多になります。

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