江戸時代の日本で活躍した、今や世界的に有名な浮世絵師「喜多川歌麿」。
最高傑作である「深川の雪」「品川の月」「吉原の花」の三部作は、とちぎに滞在し描かれたものだといわれている。
喜多川歌麿と栃木市との関りを知ってもらうべく蔵の街とちぎ、嘉右衛門町エリアで開催される歴史的な文化を感じられるイベント。
絢爛豪華な歌麿道中(花魁道中)は一見の価値あり。
歌麿まつり~歌麿の愛したまち とちぎ~
歌麿まつり~歌麿の愛したまち とちぎ~は、江戸時代の日本を代表する浮世絵師「喜多川歌麿」と栃木市の関りを知ってもらうべく、蔵の街とちぎ、嘉右衛門町エリアで開催される歴史的な文化を感じられるイベント。
世界に40点しか知られていないとされる作品のうち、「女達磨図」「鍾馗図」「三副神の相撲図」は栃木市にゆかりのある旧家から発見され、栃木市ではこの貴重な3点を所有。
また、歌麿の肉筆画最高傑作と評される「深川の雪」「品川の月」「吉原の花」の三部作は、とちぎに滞在し描かれたものだといわれている。
そういったことから、歌麿と栃木には関わりがあったとされ、その関りをもっと深く広く知ってもらうべく開催される。
イベントでは各所で歌麿に関する展示がされ、初日には最大のイベント、歌麿の描いた世界を再現する歌麿道中(花魁道中)が行われる。
イベント詳細
イベント詳細
第11回 歌麿まつり
会場 蔵の街とちぎ、嘉右衛門町
開催日 2022年10月15日(土)~23日(日)
開催時間 各イベントによる
住所 栃木県栃木市万町
TEL 0282-21-2573
料金 無料※一部有料イベントあり
アクセス 車 東北道栃木インターより3.3km(6分)
電車 栃木駅より1.5km
駐車場 有料駐車場、栃木市役所駐車場などを利用
運営
主催 歌麿を活かしたまちづくり協議会
問い合わせ先 0282-21-2573
第11回 歌麿まつり行ってみた
栃木市で2年ぶりに歌麿まつりが開催、歌麿道中(花魁道中)は4年ぶりとなる。
なんといってもまつり一番の見どころは、蔵の街を花魁が練り歩く歌麿道中。
今回は会場を嘉右衛門町伝統的建造物群保存地区とし、日光例幣使街道を練り歩く。
県民から選ばれた出演者たちが花魁や芸者、カムロなどに扮する艶やかな姿は一見の価値ありだ。
※新型コロナ感染拡大防止のため、出演者は県内在住者のみ
歌麿道中
人力車で会場に向かう花魁。
レアなショットが撮れるとか、1時間半前から会場に来た甲斐があったというもの。
集合写真
オープニングセレモニー前にメディア向けの集合写真の撮影が行われ、花魁の艶やかな姿が披露された。
撮影後にサプライズ的に右にいる人への撮影タイムで、無事集合写真をゲット。
オープニングセレモニーでは、和服姿の市長、歌麿役を務めるえんどうつばささんなどによる挨拶が行われた。
歌麿道中扮する出演者たち
歌麿道中で役に扮する人たちの紹介がされ、いよいよメインイベントの開始も近い。
まず最初に登場するのは、金棒持ちのお二人。
続いてカムロ(子役)のお二人。
続いて振袖新造役。
続いて留袖新造役。
芸者役。
女将役。
喜多川歌麿役。
役を演じるのはえんどうつばさ(※漢字不明のためひらがら表記)さん。
喜多川歌麿は、江戸時代の日本で活躍した浮世絵師で、今やその作品は世界的に有名。
宝歴3年(1753年)生まれとされ、川越か江戸市中の生まれが有力(京、大坂、栃木という説もあり)とされている。
数多くの作品を残すも、現在知られているのはそのうちの40点ほどだという。
なかでも最高傑作と評されるのが、「深川の雪」「品川の月」「吉原の花」の三部作。
蔦屋重三郎役。
蔦屋重三郎は吉原に生まれ、のちに喜多川家の養子となる人物。
吉原大門前に書店を開き、販売や出版にも関わり、さまざまな企画を行い数々のヒット作を世に送る。
喜多川歌麿の作品を世に広め、栄松斎長喜や東洲斎写楽といった浮世絵師の作品を世に広めた立役者。
4代目 善野喜兵衛(通用亭徳成)役。
善野喜兵衛は江戸時代の豪商、狂歌師かつ戯作者。
1744年に近江にて生まれ、江戸末期には困窮人救済事業と称して数多くの蔵を建設し金銭や食糧を放出したことから、この時建てられた蔵はのちに「おたすけ蔵」と呼ばれる。
当時の善野家土蔵は、栃木市山車会館の横に建ち「とちぎ蔵の街美術館」として栃木市指定文化財として保存されている。
その4代目を襲名したのが、通用亭徳成。
通用亭徳成は、下野国栃木町生まれで栃木町にある小物問屋釜屋(釜喜)の主人。
唐衣橘洲のもとで狂歌を学ぶ。
歌麿の肉筆画最高傑作と評される「深川の雪」「品川の月」「吉原の花」の三部作は、初代善野喜兵衛の依頼により描かれたものとされる。
肩持ち男役。
傘持ち男役。
ラストを飾るのは花魁役。
花魁役を務めるのは、栃木市にある動画制作会社「REGAN合同会社(REGAN G.K.)」の代表である大木厚穂(おおきあつほ)さん。
かつて栃木市地域おこし協力隊を務めた経歴も持つ。
2019年に花魁役に選出されるも、台風19号の被害により中止、コロナ禍で中止が相次ぐ中、2022年に再び花魁役の選考を通過し3年越しの花魁役を務める。
絢爛豪華な花魁道中
沿道にはたくさんの観客が集まる中、絢爛豪華な花魁道中が行われる。
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花魁特有の外八文字で歩く姿は雅。
花魁道中は新明神社前から旧日光例幣使街道を練り歩く。
歌麿まつり、最大にして最高のイベント。
歌麿行灯
旧日光例幣使街道および蔵の街大通りには歌麿行灯が設置されている。
とちぎ歌麿館
とちぎ歌麿館は、栃木市の蔵「古久磯提灯店見世蔵」を利用した喜多川歌麿と栃木市の関りについて情報発信するスポット。
歌麿やその時代に関する資料を展示する「まちなか美術館」。
歌麿の作品レプリカなども展示されている。
スポット情報
とちぎ歌麿館
住所 栃木県栃木市万町7-1
TEL 0282-25-3003
営業時間 9:00~17:00
定休日 月曜(祝日の場合翌日)、平日の祝日の翌日、年末年始(12/29~1/3)、展示替え等の館内整理期間(不定期)
入館料 無料
最後に
栃木市の秋の風物詩、歌麿まつりに行ってみた。
蔵の街や嘉右衛門町エリアにて歌麿に関するイベントや展示も多数開催される。
初日に開催される歌麿道中(花魁道中)は一見の価値あり。
是非一度、観に来てほしいおすすめのイベントだ。
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