ノザキのコンビーフ缶が70年ぶりに刷新される。
1950年に登場したノザキのコンビーフ缶は、枕缶に「巻き取り鍵」を使って開封する独特のスタイルで有名だ。
あのノザキのコンビーフが2020年3月16日のリニューアルをもって、昭和ノスタルジーな趣ある容器の提供を終了する。
かわって登場するのは、現代風の趣の欠片もない、シール蓋タイプになってしまう。
それ自体を見たことはないが、往年の大スターがドラマの中でコンビーフを開けてかじる姿がブームにもなったという。
そんな昭和がまた姿を消そうとしている。
この巻き取り鍵のコンビーフの姿は後世に残すべき文化遺産といっても過言(300%くらい盛った)ではない。
世界からその姿が消える前に、もう一度食べてみたい。
ということで、今回は個人的に一番おいしいと感じている「ノザキのコンビーフの食べ方」を紹介しよう。
ノザキのコンビーフ
ノザキのコンビーフを販売する川商フーズは、2020年3月16日に現行の枕缶の商品をすべてリニューアルし、現行の形を踏襲するビジュアルそのままでシール蓋にすることで開けずらさを解消するという。
それにより賞味期限が3年から3年6か月に延長、内容量も:現行100gから使い切りやすい80gへと変更されるという。
1948年に野崎産業より戦後の日本がようやく活気を取り戻そうとしていた時代に誕生したのがノザキのコンビーフ。
それから2年後の1950年に現在のスタイルであるコンビーフ缶が誕生する。
その当時から70年間、ノザキのコンビーフのトレードマークである牛とともに、その姿を変えずに昭和を今に伝えてきた「巻き取り鍵」による独特の開封スタイル。
台形型の缶詰を巻き取り鍵によりクルクルと缶を巻きとって開封するという独特のスタイルな枕缶。
たしかに巻き取る手間、鋭利な切断面の危険性など現代社会にはそぐわない面も多い。
だが、それがいいのも事実。
そしてそのスタイルが、コンビーフの日である4月6日を待たずして、3月16日にリニューアルを果たすことになる。
ちなみにコンビーフとは、その名の通り塩漬けした牛の肩肉やもも肉などをベースに、牛肉を煮沸してほぐし肉にしたものに塩や調味料、ミンチ肉を加えて味付けしたもの。
よく馬肉が入っていると勘違いしている人もいるが、実はそれ「コンミート」であってコンビーブではない。
コンビーフは昔から牛肉100%にて提供されている。
ノザキのコンビーフの開け方
ちなみにコンビーフを食べたことが無いという人のためにその開封の方法を解説しよう。
step
1巻き取り鍵を手に入れる
まずは天面に貼りつけている「巻き取り鍵」を取り外す。
これがもうすぐ世界から姿を消す、伝説の巻き取り鍵だ。
step
2鍵穴に巻き取り爪を通し缶を巻き取る
次に巻き取り鍵にある鍵穴に、缶側面にある巻き取り爪通す。
後は巻き取り鍵を右に回していくだけ。
step
3開封完了
最後までしっかり巻き取れたら開封完了。
この独特の香りとフォルムこそが我らがスター「コンビーフ」だ。
コンビーフ最強の食べ方※個人的見解
アウトドアにも重宝され、また保存性があるので防災的な意味でも保存食に最適。
プロコンビーラーともなればこのままかぶりつくところだが、それでは芸がないので個人的に一番オススメしたい食べ方を紹介したいと思う。
コンビーフはさまざまな料理にアレンジすることで、絶品料理に進化する食材でもある。
たしかにいろんな食べたはあるし、どれもとても美味しい。
だが個人的に一番好きで、それこそ小学生の頃からよく食べていた方法がある。
その食べ方を紹介しよう。
まずこの食べ方、電子レンジがなければ始まらない。
その作り方はこうだ。
まず始めに耐熱性の容器にコンビーフを乗せる。
そしておもむろに加熱。
あとはコンビーフがはじけ飛び始まるようになるまでひたすら加熱。
ちなみにここでラップをかけるとコンビーフにラップが接触してしまう容器ではラップをしてはいけない。
何故ならラップが溶けるからだ。
今回は耐熱紙皿しかなかったので、3分ほどの加熱で終了。
表面の脂が溶けだし、外はボソボソ、中はジューシーな状態となっている。
あとはこれをオンザライス。
からの外壁と中身が均等になるようにご飯の上にコンビーフをほぐせばコンビーフ丼の完成だ。
外側の芳ばしい風味に、脂が溶けだしジューシーさを増した内側が一体化したこの脂のくちどけ感、ほぐし肉ならではの繊維質な食感に肉のボリュームを感じ、そしてこの塩気にご飯すすむ。
アレンジなんてしなくても、コンビーフならではの悪魔的な美味ささえあれば十分だ。
最後に
ノザキのコンビーフが70年ぶりとなる2020年3月16日に新パッケージにリニューアルを果たす。
昭和レトロなあの「巻き取り鍵」方式のコンビーフに会えるのも、市場に出回っているコンビーフ缶が無くなるその日まで。
味が変わるわけではないが、コンビーフのコンビーフたるアイデンティティを失うような気にさえさせるのは、やはり昔から馴染のある姿の存在感ゆえ。
残り期間は少ないが、今のうちに巻き取り納めをしておきたい。
さらば巻き取り鍵方式、いつか復刻版として登場するかもしれないその日まで。