栃木県栃木市岩舟町、ここに昭和レトロな絶滅危惧種的な食堂が存在する。
その名は「久松食堂」。
老夫婦の営む、年季の入った昭和レトロな佇まいのお店。
素朴で間違いない、これぞ昭和の食堂然とした料理を味わうことができる。
今回はそんな久松食堂に行ってみた。
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久松食堂
今回訪問したのは栃木県栃木市岩舟町、桐生岩舟線(旧50号線)沿いにある久松食堂。
老夫婦が営む昭和レトロな食堂。
年季の入った外観、店名は「堂」が剥げ落ち、久松食になってしまっている。
敷地端には瓦礫が積み重なり、入り口横には大量の盆栽など鉢植えが並べられている。
初見では来店を躊躇う、その佇まい、だがそれが「風」ではなく「本物」であってそれがいい。
先代である奥さんの父親の跡を継ぎ、現在は旦那さんが奥さんとともに店を切り盛りする。
幼少期には長男の息子さんが店を継ぎたいと言っていたそうだが、今は山梨の富士急にて料理人として働いているそう。
残念ながら、後継者がおらず自分の代でお店は閉める予定でいるそう。
店舗裏の高台にかつてあった宴会場、久松別館も受付を辞め7年ほど前に取り壊され完全に自然に帰ってしまった。
今は夫婦で営んではいるが後継者がいないため、いつの日かその厨房の火は絶やされお店もいつか自然に帰るのだろう。
そんな絶滅の危機に瀕している昭和のメシ遺産。
久松食堂へのアクセス
アクセス詳細
住所 栃木県栃木市岩舟町静2509
車 国道50号線「静」交差点より1.7km(3分)
東北道「佐野藤岡インター」5.5km(9分)
電車 両毛線 岩舟駅より1.6km
東武日光線 静和駅より1.8km
駐車場 およそ5台
久松食堂の店内
いい感じに年季の入ったこの昭和感。
外観のヤバさとは裏腹に、店内は普段の手入れが行き届いている。
とりあえす自分の代を保てばいいという老夫婦、大規模な改装は行わず部分的に改装中でキレイに生まれ変わる途中。
こじんまりとした店内には4人掛けのテーブル席が2卓、正面奥の座敷に座卓が1卓。
右手奥側の休憩スペース的なエリアの入り口にレジがあり、そのさらに奥に厨房があるようだ。
店内にいくつも並べられたアーティファクト達、これぞ昭和の食堂。
某西洋菓子のような名前の人が歓喜しそうなお約束もかましてくれる、この安心感。
卓上調味料は、醤油・七味唐辛子・胡椒。
久松食堂のメニュー
久松食堂のメニューはこんな感じ。
※2023年12月4日時点
久松食堂行ってみた
訪問したのは2023年12月4日の昼時。
先客1名の後客1名、途中1組3名訪れるも雰囲気に飲まれてしまったのか撤退。
うどん、そば系が充実しているが、ラーメンも捨てがたい。
カツカレーライスにも非常に惹かれるものがあるが、ここは定食メニューの中から右端の法則によりチョイス。
おばあちゃんがお茶とおしぼりを持ってきてくれたタイミングでオーダーを済ませる。
待つこと25分ほど、お待ちかねの品の登場だ。
焼肉定食
カツカレーライスにカツ丼、みそラーンも気になるが、今回チョイスしたのは焼肉定食。
ご飯に味噌汁、白菜の漬物、そしてメインはロースが6枚にキャベツの千切り。
デザートはカットオレンジ。
まずは味噌汁からいただこう。
具材は大根にわかめ。
ひとくち啜れば、ダシのきいた汁に大根の甘みが溶け出している。
大根は柔らかく、ダシの旨味を吸収し甘みも相まって旨い。
メインの焼肉は程よい厚みのあるロース肉。
タレだくだ。
さっそく食べてみよう。
肉は程よい噛みごたえで柔らかく、噛むほどに旨味があふれる。
おろし玉ねぎなどの程よい甘みきいた甘辛醤油ダレがよく染みていて、肉の旨味を引き立てる。
ご飯は柔らかめで、お年寄りの常連さんも多いだろうからそういった配慮もあるのだろう。
それはそれとして、素朴ながらこのタレの味付け具合にご飯がすすむ。
タレを吸った千切りキャベツを肉で巻いて食べるのもまたいい。
塩気しっかりの白菜の漬物を時折つまみ、ご飯をかっこむ。
食後の〆に甘酸っぱいオレンジを頬張りごちそうさま。
最後に
栃木県栃木市岩舟町にある昭和レトロな久松食堂に行ってみた。
特別なんていらない、素朴な味わいこそが王道。
老夫婦が営むお店は、後継者がなく今の代で閉店予定だという。
またひとつ、昭和の食堂の灯火が失われる。
是非とも少しでも長く、お店を続けてもらいたいものだ。
お店詳細
久松食堂
住所 栃木県栃木市岩舟町静2509
TEL 0282-55-2041
営業時間 11:00~20:00(LO19:00)
定休日 不定休
支払い 現金のみ
駐車場 およそ5台