昭和レトロな後世に残したい鹿沼遺産というべきお店「味の店さつき」。
店主高齢化により2019年10月に一度閉店の危機が訪れるも、後継者(息子さん?)ができたようでその危機を回避。
だが、そんな「味の店さつき」もついに2022年5月31日をもって閉店を迎えようとしている。
鹿沼市のデカ盛りの聖地が伝説へと変わる前に食べに行ってみた。
目次(タップできる)
味の店さつき、ついに閉店か!?
ある日のこと、味の店さつきの前を通ると、お店の準備で毎朝6時頃にはすでに店舗の窓が全開にされるつもの光景。
そこに違和感を覚える。
店主ももう85歳だし、そろそろそんな時が来る可能性はあった。
一度閉店の危機がありつつも、復活したがやはり後継者は育たなかったということか。
ついに53年の幕を閉じる「予定」だそうだ。
ネットでは2022年5月31日と呟かれているが、もしかすると53年を見間違えたんじゃないかとかすかな期待をしている。
たしかな情報ならば、訪問できるのもあとわずか。
テレビの取材依頼が来るほどの注目店。
張り紙を張ったのは、きっと迷惑だからではなく嬉しかったからに違いない。
なにせ店主夫妻ともに高齢、テレビの取材をキッカケに混み合っては営業も立ち行かなくなりかねない。
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【栃木鹿沼】味の店 さつき。レジェンド級の昭和な食堂で名物『豚ローススタミナ焼き』を食す
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この佇まいを拝めるのもあとわずか。
多くのファンに愛されるお店だったのだろう。
閉店を聞きつけてか、平日昼時には満席になるほどのお客が来店し、12時半過ぎにはロースが完売し営業終了になるほど。
まだたったの12回しか訪問していないのに残念すぎる。
ということで、さっそく昼時に訪問。
名物 豚ローススタミナ焼
今回チョイスしたのはもちろん名物『豚ローススタミナ焼』、通称スタミナ。
ラスト5食に無事滑り込む。
皿に盛られた特盛級のご飯、豚汁に漬物付き。
たっぷりの千切りキャベツにカットレモンにトマト、キュウリスティック。
食べやすいように独特のカットが施された豚ロースが2枚鎮座。
カラシをたっぶり添えられている。
まずは豚汁からいただこう。
ダシを吸ったホクホクの大根の甘みと旨味、トロトロの玉ねぎ。
豚と味噌、ダシの旨味がじっくり染み込んだ食材すべてが至高の味。
豚ロースは分厚いながらも食べやすいように切れ目が入れられている。
一旦ライスに退避させ、一切れずつかぶりつきながらいただく。
あふれ出す肉汁と絡み合うスタミナダレを纏った焦げ茶色の至高の物体。
ここにタレをさらに絡めつつオンザライスすれば、ご飯一粒一粒がスタミナの化身と化す。
しっかり焼いたロース肉は、表面はしっかり焼き目がついて芳ばしく中は弾力があり噛み応えがある。
肉に無心になって食らいつくという、人間が狩猟民族だったころの獲って食うという純粋に肉を味わう感覚を想起させる(かもしれない)。
昔よりはニンニクのガッツリ感は優しくなった気がするが、それでもニンニクとショウガの風味がガツンと効いたクセになる味わい。
カラシをたっぷりつけて食べるとまた格別。
鼻を抜けるツンとした刺激もたまらない。
後半はレモンを絞って食べるのも至高。
そして野菜、酸味のきいたドレッシングにスタミナのタレを絡めて食べると、これがまた最高のご飯のおかずになる。
満腹ごちそうさま。
最後に
鹿沼の昭和レトロな懐かしの食堂「味の店さつき」が、53年の歴史に幕を閉じる「予定」だ。
昔ながらのガッツリデカ盛りロースは食べた人を虜にする味。
伝説となる前に是非一度味わってほしい一品だ。
量が多いので、少食の人は2名で訪問してスタミナ1品+ご飯セットにしてシェアがおすすめ