東京東銀座にある「銀座八五」。
ミシュラン一つ星を2年連続獲得する、行列の絶えない人気ラーメン店。
フレンチの名シェフが営む、ラーメンという丼の中に集約されたフルコースを味わうことができる。
カエシを使わず、素材の旨味のみでつくるスープはここでしか味わうことのできない唯一無二の珠玉の一杯。
今回はそんな一杯を味わうべく「銀座八五」に行ってみた。
銀座八五
今回訪問したのは東京都中央区銀座、東銀座駅から3分にある「銀座八五」。
元フレンチのシェフである松村靖氏が手掛ける、ラーメンに欠かせない「カエシ」を使わず、素材の旨味のみで作るスープを使用したラーメンが味わえる唯一無二のお店。
2018年12月8日にオープン後、たった1年たらずで「ミシュランガイド東京 2020」に選出されるなど快挙成し遂げる。
さらに2021年には「ミシュランガイド東京」にて一つ星を獲得、翌年にも獲得し2年連続獲得の快挙を成し遂げた。
まるで割烹料理店かのような風格を漂わせる外観が特徴的で、銀座という立地にもマッチしている。
松村靖氏は、元は京都にて40年ものあいだ腕を振るってきた名シェフであった。
定年を迎え小さなフレンチ料理店を営んでいたが、個人店でできることには限界があると苦悩していた。
そんなある時、ラーメンの可能性を見出し一念発起、ついにはラーメン店「中華そば勝本」をオープンするに至る。
いくつもの人気ラーメン店を展開する中で、最終的に行き着いたのが「カエシ」を使わないラーメン。
元フレンチのシェフだからこその発想である。
だが順風満帆とはいかず、運営母体の倒産により一時的に閉店となるも、株式会社Food Operation Japanが引き継ぎ2022年5月27日に復活を遂げた。
今や東京を代表する名店のひとつに名を連ね、海外からの来訪者がわざわざ食べにくるほど。
オープン4時間前には行列ができるほどの人気店だ。
アクセス
アクセス詳細
住所 東京都中央区銀座3-14-2 第一はなぶさビル 1F
電車 都営浅草線 東銀座駅「A7出口」より240m(徒歩3分)
東京メトロ日比谷線 東銀座駅「A7出口」より240m(徒歩3分)
東京メトロ有楽町線 新富町駅「1番出口」より250m(徒歩3分)
有楽町駅「京橋口」より800m(徒歩11分)
駐車場 なし
店内
店内入るとすぐ左手に券売機が設置されている。
券売機詳細
・新500円硬貨使用不可
・1,000円紙幣まで対応
奥行きがある店内。
シックなBGMが流れ、まるで割烹料理店を彷彿させるような高級感あふれる。
店主である松村氏が厨房に立ち、さらに男性スタッフ2名・女性スタッフ1名という構成だっただろうか。
窓際は木材をふんだんに使用した格子状になっていて、優しい光が差し込み間接照明とともに店内を照らす。
右手には厨房、その前に白いカバーのかかったカウンター席がわずか6席のみ。
カウンター上部にも間接照明が施され、優しくカウンターを照らす。
席には店内に案内される時点で、お盆とともに箸、レンゲ、さらにお冷とおしぼりがすでに配膳されていいる。
銀座八五のメニュー
銀座八五のメニューは至ってシンプル。
メニュー
メイン
- 中華そば 1,100円
- 味玉中華そば 1,250円
- 特製中華そば 1,400円
ご飯物
- 肉ご飯 500円
飲み物
- エビスビール(小瓶) 500円
※税込み
利用方法
- お店横に並ぶ
・開店4時間前には行列が始まっている
・祭日などは9時には完売になる場合多し
・1日の杯数はおよそ50杯ほどと思われる - 8時半あたりになると、列の移動が開始される
・店舗横は8名ほど、続きは道を挟んだ向かい側から並ぶ
・日が当たる暑い日は日傘(数に限りあり)を配りに来てくれる - 先頭から順番に食券を購入し、店員さんに手渡す
・前の人が購入し、列に帰ってきたら買いに行く - 順番が来たら店内へ案内され、指定された席に着席
ルール
以下のルールを守れない場合、入店を断られる場合あり。
ルール
- 代表待ち禁止のため全員揃ってから並ぶ
- 並びのさいに路上への座り込みはしない
- 複数名で訪問時に横に並ばず1列で並ぶ
- 並びの列や近隣でタバコは吸わない
- 1席の利用につき、必ずラーメン1杯を注文する
※1名につき1杯までの提供 - 12歳以下の利用はできない
- 食券購入後、列の元居た場所に戻る
- 店内の撮影は注文の品のみ
※食事中の配信や通話も禁止
空いた席単位での案内のため、複数人で来店しても必ずしも一緒に食べられるとは限らない。
※みんな一緒に店内に入れたとしても、席がバラバラになる場合もあり
銀座八五行ってみた
訪問したのはGW真っ只中の2023年5月5日朝8時。
すでに店舗前には13人の列が形成されていた。
8時半を過ぎたあたりから続々と集まり始め、お店スペースからはみ出た列の移動が行われる。
5月だというのに真夏日の暑さに閉口していると、それを察してか店員さんが並んでる人へ日傘の貸出をしてくれた。
ちょっとしたことだけど、こういう気配りができるあたり、さすがミシュラン一つ星なだけはある。
並びの段階で9時10分には完売となり、10時20分あたりになると店員さんが一組ずつ丁寧に食券購入の案内をされていた。
開店時間より早めな10時40分には1巡目が店内へと案内され、以後、無駄なく効率重視で空いた席単位で順番に案内される。
※3人組で1人だけ先に店内に案内されるなんてこともある
8時半で14番目、店内に案内されたのが11時半。
トータル3時間で着席。
8:00 9組13名の列に接続
8:30 列の移動、徐々に列が延び始める
9:20 列が杯数に到達し完売
10:20 食券購入の案内が始まる
10:38 食券を購入
10:40 1巡目が店内に案内される
11:30 店内に案内される※1人平均20分くらいのペース
11:33 注文の品が提供される
特製中華そば
今回チョイスしたのは『特製中華そば』。
仕上げに挽いたペッパーキャビアの芳醇でスパイシーな胡椒の香りが広がる。
ノーマルはチャーシュー1枚、九条ネギ、極太メンマがトッピング。
特製ではさらにチャーシューが1枚と味玉が追加される。
チャーシューには提供寸前にミルで挽いたペッパーキャビアが振りかけられている。
まずはスープからひとくち。
薄琥珀色のスープで、表面には照明を浴びで黄金に輝く油が浮かぶ。
雑味が一切なく複雑で繊細な和を感じさせる味わいが広がる。
出汁の旨味を感じていると、後から濃厚なコンソメのような洋の味わいが追いかけてくる。
クセがなくまろやかなオイル感に加え、絶妙な塩味がスープのコクを引き立てる。
カエシを使用せずダシと塩味だけでこの完成度、これはまさに至高の味わい。
もう完飲は不可避。
お次は麺を啜ってみよう。
至高のスープをまとったストレートな細麺は、プリパツな食感でツルリとしたのど越し感が心地よい。
噛むほどに小麦の芳醇な風味が広がり、スープと絶妙な一体感をかもし出す。
ゆっくりじっくりと味わいところだが、その旨さに箸も止まらない。
今度はチャーシューを味わってみよう。
なめらかな口当たりで、噛むほどにジューシーな肉汁があふれ出す。
最初の一枚は弾力がある噛み応えで、後半にいただいたもう一枚は柔らかホロホロで脂がトロリと口の中に広がる。
ペッパートリュフの芳醇かつピリリとした辛みのアクセントが肉の旨味を何倍にも跳ね上げている。
後半はペッパートリュフをスープに溶かして味変を楽しむ。
胡椒のスパイシーな香りのアクセントがスープにマッチ、洋らしさが増すとともに深みがより一層増して完飲不可避であることを再確認させられる。
コリサクとしたメンマも名脇役。
味玉は黄身がトロリとあふれ、端麗な醤油とダシきいた絶妙な仕上がり。
主張しすぎないので、スープの味わいを邪魔しない。
九条ネギとともに麺を啜ると、香ばしいネギの風味がまたいい仕事している。
最後はもちろんスープを最後の一滴まで飲み干し完飲完食。
肉ご飯
ご飯物から『肉ご飯』も食べてみよう。
ダイスカットされたチャーシューがゴロゴロ。
刻みネギに仕上げにペッパートリュフがかけられている。
脇に添えられているのはホースラディッシュ。
さっそくひとくち。
ジューシーなチャーシューに、ピリッと辛くてさっぱりとしたホースラディッシュがマッチしている。
胡椒の風味で肉の旨味も引き立つ。
そして何よりご飯がうまい。
タレがかかっていないので、素材の旨さをダイレクトに感じることができる。
ここにスープを加えていただく。
スープのダシの旨味と塩味がちょうどいい味付けで、ホースラディッシュを溶かして食べるとまた一味違った一品に変化。
肉の旨味も引き立ち、見た目と裏腹に上品な味わいだ。
食後には、冷たい「加賀棒茶」がサービスされ、口中を爽やかに洗い清めてくれる。
最後に
東京東銀座にある「銀座八五」に行ってみた。
噂通りの行列、そして即完売になるほどの超人気は、さすがはミシュラン一つ星を2年間獲得し続けるだけある。
カエシを使わないスープは、複数の材料が複雑に絡み合い、それをまとめ上げる塩味が絶妙。
スープと麺の相性も抜群で、お互いがポテンシャルを引き上げあっている。
チャーシューも絶品で、ペッパートリュフのアクセントが肉の旨味、スープの旨味を引き立てている。
すべてにおいて至高。
是非一度味わうべき一杯がそこにある。
お店詳細
銀座八五
住所 東京都中央区銀座3-14-2 第一はなぶさビル 1F
TEL 不明
営業時間 11:00~スープがなくなり次第終了
定休日 毎週日曜、土曜(不定休)
支払い 現金のみ
駐車場 なし
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