いもフライといえば、一般的にはカットしたじゃがいもに衣をつけて油でカラッと揚げたものが一般的だろう。
ところが栃木の南部ではいもフライといえば、崩れない程度にふかしたじゃがいもをカットして、それらを串に刺して衣をつけ串ごと油で揚げたものをいう。
このいもフライ、発祥は両毛地域という栃木から群馬にまたがるエリアで、その中でも佐野市では盛んに食べられていたもの。
佐野市といえばさのまるだが、侍のような姿で腰には刀に扮したいもフライがしっかりとアピールされている。
いもフライは佐野市にしかないとのアピールを盛んにしていたようだが、実際は昔から栃木市にも存在していた。
そんないもフライはその形状と40円~70円程度という手頃な値段ゆえに、とても気軽に買ってその場ですぐ食べることができる。
なので、ある意味栃木のファーストフードと言ってもいいかもしれない。
子供の頃に駅の近くにあるいもフライのお店でよく買い食いしたものだ。
今はそのお店は移転して名前も変えて(経営者自体が違うのもしれないが)営業を続けている。
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いもフライのお店りさやん家
そんな懐かしい思いを馳せながらやってきたのがここ、りさやん家である。
簡素なプレハブの建物なのは昔と変わらないスタイル。
店舗は東武鉄道の線路に沿うように続く道沿いにあった。
きっと電車を利用する人は度々目にすることだろう。
扱っているメニューは焼きそばといもフライだけというシンプルさ。
値段も焼きそばが400円、いもフライが1本70円。
店内には揚げたてのいもフライが山積みになっている。
こうしてある程度作りおきをするスタイルらしい。
さっそく焼きそばといもフライを5本ばかり注文すると、作りおきの焼きそばといもフライはソースにつけて包んでくれる。
昔はその場で揚げたてを、タッパに並々と注がれたさらさらのウスターソースにどっぷりとくぐらせていたものだ。
あの様子を見ているだけでもヨダレものだった。
さすがに今の時代ではソースをそのまま置いておくというわけにもいかないので、つける時だけ準備するようだが。
そんなわけで、新聞紙で包まれたアツアツのいもフライに焼そばをさっそく拝ませてもらおう。
りさやん家の焼そば
具材はキャベツと紅しょうがだけというとてもシンプルなもの。
ただ、焼そばは容器一杯にこれでもかと詰め込まれていて大盛りといっていいかもしれない量がある。
そして麺をひとくちいわ。
いわゆるボソボソ系で、味は薄からず濃からずといったほどぼとな感じ。
まあ味は想像通りといったところ。
りさやん家のいもフライ
前置きはこれくらいにして、メインディッシュであるいもフライの登場。
どうやらソースはダイブ系ではなく、かける系らしい。
やはりダイブ系じゃないと満遍なくソースが衣に染みないからだめだな。
ちなみにソースをかけずに購入することも可能だが、やはり揚げたての油とソースが混ざり合い、衣が柔らかくなったのが最高だと思う。
どうやらソースは業務用のウスターソースというよりは中農ソースといった感じだろうか。
若干甘みとベタッとトロミのあるソース、そしてじゃがいもはホクホク。
うまっ!!というわけではないが、懐かしい味を感じるファーストフードだった。
りさやん家
住所 栃木県栃木市大平町富田330-54
TEL 0282-43-1544
営業時間 平日9:00~14:00/16:00~18:00
土日9:00~18:00
定休日 無休