先日も記事に書いたが、Appleの最新iOS9からは広告をブロックする機能が実装可能になる。
実はその影響を真っ先に受けるの可能性があるのが無料アプリである。
関連記事:iOS9で広告ブロック機能の実装が可能になった。一番得をするのははたして誰か
無料アプリにあるわずらわしい広告が表示されなくなれば、ユーザーにとっては嬉しいことこの上ない。
と、大半のユーザーは思っているはず。
だが、その裏に何があるのか
それはもちろんAppleの運営するモバイル公告配信プラットホームである「iAd」での広告主と広告配信メディアの抱え込みをしようという意図があるは言うまでもない。
りんごが大豊作
無料で利用できるアプリなどは、そのほとんどがアプリに配信される広告の収入で賄っている。
その大半は広告配信プラットホームとしてGoogleのアドセンスを使っているんじゃないかと考えられる。
それらが広告ブロックの影響を受けないiAdに流れ込めば、当然困るのはGoogleである。
それと相反するようにりんごは大豊作となり収穫し放題である。
今やモバイル広告収入の70%以上がiPhone端末からというGoogle。
ここで広告配信がブロックなんてされたらたまったものではないと考えるのが当然。
ちなみに補足すると、このiAdとはiOS端末特化のアプリ用モバイル広告配信プラットホームなのでiOS端末用のアプリを開発しているメーカーは必然的に今後はこちらを利用することになる。
イタチごっこがはじまる
そしてやっぱり始まったイタチごっこ。
GoogleはiOSのブロック機能を無効化するコードをアプリ開発者に提供を始めた。
これは、iOSのセキュリティー向上を名目で実装される広告ブロック機能を無効化するわけだから、セキュリティーを下げることになる。
Googleも公式で
このコードが一時的かつ「最後の手段」であり、安易にユーザーのセキュリティを下げるようなことをするべきではない
との発表もしているように、そういったことは本来ならやるべきではないとわかっている。
とはいえ実際はそんなことを言ってられないのが本心。
Youtubeが有料化されるというデマ
先日Youtubeが有料化されるというデマがTwitterなどでも話題になった。
それは正確には有料会員サービスの導入を検討しているというオチだったわけだが、どうしてそういったものを今更検討し始めているのか?
結局は広告収入が激減することによる影響があるかもしれないと示唆しているようなもの。
もし有料会員サービスだけでは運営していけないとなれば、完全有料化というのもデマでは済まされないことになるかもしれない。
そしてそれがネット業界全体に広がった時にどうなるか考えたくもない。
広告が便利な生活を支えているともいえる
テレビ番組だって広告のおかげで無料で見ることができるし、雑誌だって広告のおかげである程度値段が抑えられているだろう。
アスリートだってユニフォームに社名広告を掲載することでお金のことを考えずに専念できているといっていい。
そういったところに、文句を言う人は少ないと思うし、そういうもんだと思っている人が大半だと思う。
なのにネットのサービス、無料アプリの広告は邪魔、ブログに広告を貼り付けるのはアフィカスと呼ばれたりどうもネットに関することは良いイメージがない。
それは先人たちの負の遺産の影響なのは言うまでもない。
しかも楽して儲けているとかそういったイメージが定着してしまっているのがネットの広告が嫌われる原因にもなっている。
ただ、実際本当に楽をして儲けているのか?
昔の話は別として、たしかに最終的には楽をして儲けられる可能性もあるが、それまでにどれだれの試行錯誤を重ねて苦労をしてきたかを考えると、けして楽なことは無いのが現実。
よーく考えよーお金は大事だよー
なんてフレーズがあるが、ホントお金というのは大事ということを実感することになる。
ブログを書くのが好きだから、と無料ブログで書いている人がたくさんいると思うが、それが有料になって毎月お金を払わないといけなくなった時に今まで通りにブログを続けていられるのかと問いたい。
そうなってくると、やめてしまうか、せめてブログの費用くらいはブログで賄いたいと思うのが普通だと思う。
そこでもし予想以上に収入があれば、それをブログに還元することでさらにネタが増えることになる。
すべては理にかなっているのである。
結論
最初のうちこそ広告をブロックすることが可能とかやんわりと言っているが、ある程度自社の広告配信プラットホームへの流入が確認された時点で、iAd以外の広告が完全にブロックされるようになるのは目に見えている。
つまりアプリから広告が消えてラッキーなんてことはやってこない。
無料アプリを利用するユーザーはこれからも広告表示から逃れることはできない。
そして、広告の表示がされなくなったその他のサービスや情報サイトは有料になり、とても不便なネットの世界になるまでカウントダウンは始まっているといってもいいかもしれない。