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渋温泉に来たら泊まるべき宿。歴史の宿金具屋は見どころ満載のスポット

長野県の秘境温泉である渋温泉。
有名温泉のように賑わいはないけど、昭和を感じるレトロな街並みがたまらない渋温泉。

そんな渋温泉でも一番有名な宿といえば、歴史の宿金具屋。
温泉好きなら一度は耳にしたことはあるだろう金具屋は、ひとたびそのくぐり戸をくぐれば物語の世界へやってきたかのような不思議な空間が広がる。

まるで千と千尋の神隠しの世界に入り込んだかのような気分に浸ることができる。
※作品のモデルになったという発表はないが

今回で金具屋に宿泊するのは2度目となるわけだが、何度も泊まりたくなるその宿を紹介しよう。

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歴史の宿金具屋

歴史の宿金具屋は信州渋温泉にある全29室と8つの温泉を有する温泉宿。
昭和初期の建物をそのまま残した、昔ながらの建築や温泉を堪能することができるまるでタイムスリップしたような気分の味わえる宿だ。

建物は本館である斉月楼、大広間、神明の館、居人荘、別館である潜龍荘の4つからなる。

本館には18の客室と6つの温泉、別館には11の客室と2つの温泉がある。
しかも本館の18の客室と3つの宴会場は温泉の熱を利用する自然エネルギーの温泉暖房になっているという。

 

登録有形文化財の宿

風情を感じる一方通行の狭い街道沿いに建っている。

昭和11年に完成した木造4階建ての金具屋斉月楼と金具屋大広間の2つの建物からなり、平成15年には国の登録有形文化財に認定をされた。

便利な世の中で忘れかけていたものを思い出させてくれる、不便だけどそれが逆に新しい。

金具屋斉月楼

15mという巨大な杉の通し柱13本を使用して立ち上げられたという木造4階建ての楼閣。
まるで外を歩いているような不思議な感覚にさせられる作りで、その客室もそれそぜが一軒家のような作りになっている。

それそれが玄関、土間、框、次の間、本間、縁側を有しているために、4階建てでありながらたった7室しかないという贅沢な構造だ。

不思議な飾りの施された階段や屋根など廃材を利用した場所もあるという。
あまりの不思議さに初めて訪れた人はしばらく部屋に戻るのを忘れて散策をしてしまうことだろう。


【正月の旅2013】長野渋温泉の金具屋の不老膳と荘厳なライトアップを堪能した夜 Part.2

 

宿泊者限定の金具屋文化財巡り

金具屋の文化財である斉月楼と大広間の2つの建物の建築や歴史についての話を聞きながら巡ることのできる金具屋文化財巡りは宿泊者だけが受けられるサービスだ。

金具屋について詳しく知りたい人は是非参加してみよう。
ちなみに朝8時半から4つの自家源泉を巡るツアー(無料)もあるようだ。

日時 毎日17:30~(約35分)
参加費 無料
申し込み チェックイン時

 

まるで迷路のようなワクワク感がある

複数の通路や階段からなる建物は方向音痴な人は迷子になりかねないほどに入り組んでいる。

廊下を進むといきなりの長い下り階段があったかと思うと、廊下沿いに階段があったり、いきなり温泉が現れたりととにかく不思議な空間だ。

だがその基本構造さえわかってしまえばそれほど難しくはない。
まず基本的に1階の帳場からはすべての建物へと繋がる。

本館3つの建物がそれぞれ階段やエレベーターで上下に繋がり、温泉は斉月楼の階段を上り下りすれば3つの貸切温泉と露天風呂にアクセスが可能。
帳場から続く廊下を進めば1つの大浴場と1つの貸切温泉、別館へ続く長い下り階段。
別館に行けば1つの大浴場と1つの貸切温泉がある。

迷うようなら一度1階に戻ってから行動すれば階段ごとに案内板があるのでわかりやすい。

【正月の旅2013】長野県の渋温泉にある金具屋が想像以上に千と千尋の神隠しだった

 

客室の解放感がやばい

4棟あわせて全部で29ある客室。
それぞれが特色があるのだが、構成はこんな感じだ。

バストイレ付和室9室、トイレ付和室19室、バストイレなし和室1室。
神明の館(鉄筋コンクリート4階建て) 6室
斉月楼(木造4階建) 7室
居人荘(木造3階建) 5室
潜龍荘(木造2階建) 11室

すべてが投じの職人がひとつひとつ造りあげた部屋で、明治から昭和というその時代によって部屋の趣がかわる。
もちろんすべてが和室であり、現代のように便利な施設にはなっていない。

追分宿

今回5名だったのでゆったり和室(客室プランB)を利用した。
神明の館の3階に位置する102号室の追分宿だ。

入り口からして味がある。

玄関である扉を押して中に入ると広い土間にあたるエリアとなる。
框があり襖で仕切られていて、脇には冷蔵庫(飲み物入り)がある。

ちなみに冷蔵庫の飲み物はチェックアウト時に申請する方式。

次の間には喫煙できるくつろぎスペースがある。

当然ながら換気扇などは無い。

その先には縁側はないが、囲炉裏風のスペースがあった。

インテリア的なものであって実際に使うわけではないのであしからず。

次の間から左手が12畳の本間だ。

窓のある三角の空間と襖で遮られているので寒さ対策も万全だ。
外を眺めれば渋温泉の街並みと志賀高原の山々が一望できる。

奥の帯戸の先にはトイレ、洗面所、お風呂がある。
洗面所にはアメニティーグッズにコップ、石鹸、ドライヤーが完備。

お風呂はこんな感じ。

なんと客室のお風呂のお湯は温泉だ。
なんだったら部屋から出なくても温泉を堪能できてしまう。
まぁビジュアル的に寂しくなるが。笑

クローゼットはこんな感じ。

浴衣に中羽織、外出に使えそうな厚手の長羽織、帯に足袋、おまけに貼るカイロまで用意されている。
雪国ならではの至れり尽くせり。

 

饅頭とお茶で一息

テーブルに置かれた木札のついた鍵が外湯の鍵。

そして部屋に着いたら最初のお楽しみといったらこれ。

程よい疲労が美味さを倍増させる。

この瞬間のお茶と饅頭の旨さはヤバイ。

 

アメニティーグッズはコレクションアイテム

ちなみにアメニティーグッズはこんな感じ。

アメニティーグッズの袋に入っていたのはハンドタオル、かみそり、歯ブラシセット、コットン綿棒セット。
ハンドタオルはしぶざる君がその年の干支にコスプレしたバージョンになっている。

コレクター魂をすくずる一品だ。

たぶん正月期間限定仕様なんじゃないだろうか?
せっかくなのでこれだけはお持ち帰りさせてもらおう。
※アメニティーグッズの袋に入っているものは持ち帰りOK

毎年正月に宿泊すればあと11年でコンプできる。笑

 

8つの温泉を堪能できる

金具屋には男女入れ替え制の大浴場2つ、露天風呂1つ、貸切風呂5つの計8つの温泉がある。
湯口だけでなく蛇口やシャワーから出るお湯もすべて温泉となる。
それらは4つの自館専用源泉と3口の共同源泉からの分泉からなる源泉100%掛け流しの火山性高温泉だ。

もちろん脱衣所の水道もだ。

龍瑞露天風呂

神明の館屋上にある男女それぞれ別の露天風呂。

金具屋の自家源泉である第一と第二の混合泉を使用した無色透明の温泉で、自家源泉で唯一の硫黄分を含んでいる。
弱アルカリ性でナトリウムやカルシウムが多い塩化物泉なので、いわゆる美肌の湯というやつだ。

ただ、この時期の夜中と早朝はとにかく寒くてやばい。

大浴場「鎌倉風呂」「浪漫風呂」

大浴場の鎌倉風呂と浪漫風呂は24時で男女が入れ変わるので、風呂のコンプリートを目指すなら最初に入っておくべきだ。

1階にある鎌倉風呂は渋温泉に伝わる源頼朝の伝説にちなんで鎌倉時代の建築を模して造られた温泉。
地獄谷荒井河原と渋温泉寺に涌くの混合で、白い湯花が特徴の白濁したお湯。

潜龍荘の1階にある浪漫風呂はローマの噴水を模したお風呂でステンドグラスも見ものだ。
かつてはローマ風呂という名称だったもの。

浴槽脇の地下3mからわく源泉を使用した鉄分を多く含むわずかに黄色に濁るお湯。

鎌倉風呂 24:00~10:00女性用/15:00~24:00男性用
浪漫風呂 24:00~10:00男性用/15:00~24:00女性用

5つの貸切風呂

館内に点在する5つの貸切風呂はすべて無料で利用ができる。
予約制ではなく鍵が開いていたら入浴可能なので、入る時には鍵を閉める。

和予、美妙、恵知、子安は露天風呂と同じお湯、岩窟は自家源泉第3もさらに加えて使用している。

 

和予の湯

1階にある和予の湯は貸切風呂の中で一番大きなもので、船の形をした面白いお風呂だ。

浴槽は右手が浅めで左手が深めになっているので、家族でも利用しやすい。

 

美妙の湯

斉月楼4階にあるのが美妙の湯。

サワラなどの木曽の銘木を使用した円形の風呂。

 

 

恵知の湯

斉月楼3階にある恵知の湯。

浅間山の溶岩を切り出した石を使用した風呂。
手触りがとても良い。

 

子安の湯

斉月楼2階にあるのが子安の湯。

恵知と同じ浅間石を使用しているが、湯縁が木製になったもの。

 

岩窟の湯

潜龍荘2階にあるのが人気の岩窟の湯。

山の斜面を掘って作った岩窟の湯は壁面から天井間天然の岩が積み上げられ、まさに洞窟のようになっている。
自家源泉の第3ボーリングの湯量の混合具合によってお湯の肌触りの変わるお風呂。

 

貸切風呂はルールを守ろう

貸切風呂には蛇口があるので水で温度を下げるのも自由だが、必ず出る前に蛇口からお湯を少量出した状態にしておかないといけない。
そうしないと次に入った人がぬるま湯に入ることになりかねない。
※5年前は入った貸切風呂すべてがぬるま湯という状態だった(山岡さん談)。

詳しくはしぶざるくんが入浴指南をしているので確認しよう。

入浴可能時間 15:00~翌10:00

 

食事も美味い

食事は不老膳を目指す身体によくて美味しいものを堪能できる。

長寿国である信州ならではの食材と温泉で内外から健康になってもらいたいという思いから考えられた献立となっている。
温泉地本来の病気を癒し、疲れを取り健康になるということに重きを置いた考えだ。

夕食

夕食はプランによって変わるが、地鶏の治部煮の信州仕立て「しぶのじぶ煮」のつくスタンダード、地鶏をりんごで育った信州牛に変更した信州牛鍋プラン、治部煮をりんごで育った信州牛の牛しゃぶしゃぶにした信州牛しゃぶしゃぶプランの3タイプがある。

りんごで育った信州牛とは、肥料に完全無農薬、無添加のりんごを使い、志賀高原の麓で放牧して育てた和牛。
臭みもなくとろけるような舌触りが有名ブランド牛にも匹敵するほどだという。

なら食べてみるしかないよな。
というとこで今回は信州牛しゃぶしゃぶプランをチョイス。

テーブルに並べられた料理の数々。

ひとりあたり5枚の信州牛をしゃぶしゃぶで堪能できる。

サシの入り具合がたまらない。

ポン酢とゴマダレどちらでも好きな方で食べられる。

あっさりしたポン酢も、甘味があって濃厚なゴマダレもとにかくすべて美味い。

他にも贅沢な料理の数々。

あまりの量に食べきれないんじゃないかと思うほど。

もちろんドリンク類も豊富だ。

美味いメシに豪華な料理の数々と満足しないわけがない。

ちなみなスタンダードはこんな感じ。

朝食

朝食も美味くてやばい。

正月ならではの雑煮やら軽めなおかずだけだがちよっと贅沢感がある。

20年前から朝食の定番である健康効果の高い麦とろ。

麦ごはんにそのままかけてズズズッといくのもいいし、醬油を垂らしたり卵の黄身乗せて混ぜるなど自由だ。
ダシの旨味が効いたとろろに黄身のコクが加わると最高。

麦ごはんのしっかりした噛み応えがとろろのふわっとした食感を引き立てている。

夜のライトアップは必見

夜になったら是非一度外に出て金具屋を眺めてほしい。
ライトアップされたその姿は昼間とは全く別世界。

荘厳で幻想的なその景色をバックに記念撮影とかどうだろう?

 

しぶざるくんグッズが販売されている

売店などは無いが、帳場にてしぶざるくんグッズの販売をしている。

渋温泉でしか買えないグッズなので、しぶざるくんマニアは購入するといいだろう。
帰りに荷物になるので買わなかったが、車で来ることがあったら購入したい。

 

聖地巡礼。アニメや実写のモデルとなった場所

昨年放送されたアニメ「このはな綺譚」のモデルとなったのが金具屋だ。

他にも千と千尋の神隠しのモデルになった場所じゃないかと言われているが、コスプレ作品の「千と千尋の神隠し-油屋での日々」という実写版の撮影にも使われた場所だ。

あまりの完成度に話題となった作品だ。

 

 

チェックアウト時は送迎バスが便利

電車の時間に合わせて送迎バスを利用できるので便利だ。

朝食後に部屋に確認の電話がもらえるとは思うが、予約により人数の調整をしているので希望の時間がある場合には早めに予約しておくといいだろう。
2匹の猫に夢中になって予約時間を忘れないように注意だ。笑

 

最後に

長野の秘境温泉である渋温泉は、気軽にアクセスできないがゆえにここでしか味わえない楽しみ方がたくさんある。
有名な温泉観光地では味わえない、レトロな街並みを散策し心ゆくまで温泉を堪能できる場所だ。

おすすめは電車でのアクセスだが、車でアクセスする場合は冬の時期は突然雪になったりする場合もあるので、十分な下準備をしてから訪問してほしい。

信州の秘湯渋温泉の金具屋はオススメの宿のひとつだ。

 

歴史の宿金具屋
住所 長野県下高井郡山ノ内町平穏2202
TEL 0269-33-3131
駐車場 あり(徒歩5分)
フリーWi-Fi ロビーのみ使用可能
売店 帳場にてしぶざるくんグッズ購入可能

宿の詳細はコチラ

 


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たいちょー

栃木で活動する雑記ブロガー。 栃木県の観光に役立つグルメやスポット情報を中心に紹介 | 栃木のグルメ・観光情報の発信(たまに他県も)/気になったことを自由にダラダラ綴ります | 社畜ゆえ多忙になるとメシネタ過多になります。




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