イベント レポート

東京上野で開催 日本バーベキュー協会認定の初級バーベキューインストラクター検定を受けてみた 前編

2017-03-20

日本バーベキュー協会の提唱するスマートバーベキュー。
バーベキューに対する正しい知識とマナーを学び、炭の正しい扱いからいかにして食材を美味しく調理するか、家族や仲間とどうやってバーベキューを楽しむか。
そんなホンモノのバーベキューを楽しむための知識を得て、みんなに広めることのできる資格となる初級BBQ検定が東京は上野で開催された。
毎回、受付開始とともに即定員に達するほどの人気の東京開催の検定を申し込んでみた。

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上野検定会場に来てみた

上野駅から歩くこと5分、市街地の一角にある建物YUKUIDOが今回のBBQ検定の会場だ。
入り口で受付を済ませると向かいの建物の1階が講習会場となる。

どうやら建物のリフォームをしている最中だったようで、工事の音や塗料の匂いなどがなかなかきつかったが、まぁこんなこともあるのだろうw
30分前に到着するつもりだったが、結局到着したのは開催時間10分前の10時50分。

すでに会場内は参加者で一杯だ。

受付時に初級バーベキューインストラクター検定テキスト、や検定申込用紙、アンケート、バーベキューショップの割引券なんかが渡される。

こういった記入だったり、当然ながら試験もあるので筆記用具を忘れないようにしよう。

検定スタート前に全員に軽食が配られる。

まさにこれこそがスマートバーベキューの心。
11時開催で参加者がお腹をすかせているだろうということからちょっとした食事を提供してくれた。
焼くことだけがバーペキューと思いがちだがこれもバーベキュー、焼かないバーベキューだ。

さっそく食べてみた。

しっとりして締まりのある肉は旨味が凝縮されていて美味い!
ハーブや塩といったシンプルな味付けだからこそ肉本来の美味さが強調されている。
プロの作るバーベキュー料理は一味違うな。

初級バーベキューインストラクター検定のスタート

そんなわけでついに日本バーベキュー協会(JBBQA)公認の初級バーベキューインストラクター検定プログラムがスタートする。
まずはBBQ610の店主でありプロインストラクターの資格を持つ武藤氏の挨拶からスタート。

いつか行ってみたいお店なだけにこれは今日は楽しみな検定になりそうだ。

第一部:スマートバーベキュー基礎座学

まずは60分のスマートバーベキュー基礎座学からスタート。
登壇するのは日本バーベキュー協会の下城民夫会長。

まずは日本バーベキユー協会について紹介が始まる。
日本バーベキュー協会とはアメリカのバーベキュー協会のメンバーであるが公式な協会ではないという。
発足から10年とまだまだ歴史は少ないが、その活動はとても崇高なものだ。

ただのバーベキューからスマートバーベキューへ

日本のバーベキューは海外のホンモノのばーぺきューからしてみれば、数十年遅れているという。
海外からすれば河原でのバーベキューの姿は「どこの難民キャンプなんだい?」と笑われるレベルらしい。

たしかに改めてそのバーベキューの姿をも見てみればそう見えてくる。

日本では年間に2,300万人のが年に1度はバーベキューをやっているという。
家族や友達とワイワイと楽しみながらのバーベキューは楽しい。
しかし日本のバーベキューといえば、暑い炎天下や虫がいるような場所で我慢をして楽しむもの、後片付けが大変というイメージが強い。
むしろバーベキューとはそうやって自然を感じながら楽しむものだという認識だろう。

バーベキューといえばアウトドアでの食事、アウトドアのアクティビティの一つであるという認識だが実際のところはアウトドアとバーベキューはまったくの別物だという。
それを証拠に本場ではバーベキュー用品はアウトドア用品売り場で一切売られていないという。
本場ではガーデニング用品として販売され、快適にみんなで交流して楽しむレジャーという認識だ。

この時点ですでに日本と海外の認識に違いがあるのがわかるだろう。
本場では年間に数十回もやるというのに、日本では年に1、2回なんてのは我慢の要素があるからに他ならない。

 

そこで日本バーベキュー協会で提唱するのがスマートバーベキュー。
厚い炎天下や虫を避けながらといった自分に優しくないことはせず、参加する人にも苦痛を感じることなく存分に楽しんでもらい、かつ後片付けに大量にゴミを出したりといった環境に悪いこともしない。
それでいて社会にも役立つことこそがスマート、すなわち賢いバーベキューだ。

ちょっとしたコツや道具次第で、簡単に火力管理や上手に肉を焼いたり、火の扱いから片づけまでが劇的に楽になるという。
そしてバーベキューで社会貢献?と思うかもしれないが、たとえば木材などで余った間伐材それをバーベキユーで利用すれば関連業種も助かるし、無駄なゴミが出ることもなくなるので社会だけでなく環境にも貢献できる。

焼肉とバーベキューの違い

日本人からすればバーベキューと焼肉は同じものと思いがちだろう。
それらも根本的にところから違っている。

わかりやすい違いは焼肉は1人でできるが、バーベキューは1人ではできないということ。
焼肉屋に行けば一人バーベキューできるじゃん?と思ったはずだ。

バーペキューとは単なる食事ではなく仲間を作り楽しむものだ。
だからバーベキュー奉行のような自分が満足すればいいような人は嫌われる。

焼肉は調理しながら食べるのに対して、バーベキューは料理をしてからみんなで楽しく食事を楽しむというものと認識される。

肉の焼き方からして違う

一般的には高い肉を焼けば美味い。
安い肉はバーベキューでは嫌われるが、スマートバーベキューではそんなことはない。

硬い肉をいかにして柔らかくするか、安い肉を最高に美味い料理に変えるにはどうすればいいか。
そういったことからこだわる。

それにはまずは肉を知らなければいけない。
肉で美味いのは赤身の部分だが、熱を加えすぎると硬くなり縮んでしまい美味しさが落ちる。

豚肉ならスローアンドロー、すなわち低い温度でゆっくり焼く。
そうすることで柔らかく瑞々しくなる。
なので豚肉を安全に食べるためには内部の温度を63度以上まで加熱する必要があるのと、鳥なら65度から70度なら安全だとか、80度を超えると肉が硬くなるといった特性を理解して賢く料理をすることができるようになる。

また、バーベキューをするにあたってスマートバーベキュー三種の神器のひとつである火消しつぼを使うことも推奨している。
炭の後片付けというのはなかなか手間がかかる。

もちろん放置して帰るのは以ての外だが、消えたと思っても少しでも火種が内部に残っていると再び着火する恐れがあるのでとても危険だ。
なのでスマートなやり方は火消しつぼを利用すること。

火消しつぼを使えば、残った炭を再利用できるという利点もある。
デモンストレーションで学ぶことになるが、再利用の炭はとても火がつきやすいので炭おこしに使えて便利だ。

こうしたことを学んでホンモノのバーベキューをかっこよくスマートに行えるようなる基礎を学べる。

第二部:スマートバーベキューデモンストレーション

そして第二部は会場を先ほど受付をしたYUKUIDOの屋上に移す。
ここでは90分のスマートバーベキューデモンストレーションが行われ、実際にバーベキューを体験し、試食をすることができる。

屋上に準備されたバーベキューデモンストレーション会場。

本場のWABERグリル、そして使い込まれたチムニースターター。

チムニースターターで学ぶスマートな炭のおこし方

まずはスマートバーベキューにおいての三種の神器のひとつ、チムニースターターを使っての炭のおこし方の解説から始まる。

チムニーとは煙突のことで、この煙突の効果によって上昇気流を起こして炭に火をつける。
その方法は驚くほど簡単でいままでやっていたことがいかに無駄な労力だったかを思い知らされる。

まず炭をおこす時には2種類の炭を用意するといいという。
それは燃えやすいがすぐに燃え尽きてしまう炭と燃えづらいが長持ちする炭。

一般的には1種類の炭でやりがちだが、二つの炭を使うことで効率よく炭をおこすことが可能になる。
たしかにそうだ、普段使うような炭は着火剤を使ってさえも失敗することもある。

チムニースターターでの炭おこしはまず1/3に燃えやすい炭を投入する。

次に残り2/3に燃えづらい炭をたっぷり投入。

炭は大き目なものがゴロゴロと入っていることが多いので、しっかりと砕いて程よい大きさにしておくことも重要だ。

あとはチムニースターターの底に新聞紙をふわっと丸めて入れる。

あとは火をつけるだけ。
すると上昇気流が発生し、新聞紙が燃えることで煙が立ち上る。

新聞紙はすぐに燃え尽きるので煙は消えるが、これだけで準備は完了する。
上に手をかざすと温かく感じる程度で十分らしい。

底の炭には若干白くなっている場所があるのがわかる。

あとはこのまま30分ほど放置しておけばいい。
普通ならがっつり燃えるまでうちわであおいだりしてしたくなるものだが、上昇気流さえ作れていれば問題ないらしい。
当然ながら途中でチューブタイプの着火剤なんかを投入しては事故の元なので接待やってはいけない。

これはチムニースターターに限ったことではなく、通常の炭おこしでも上昇気流が発生するように高く積んでやれば同様のことは可能になる。

そしてこの待っている間にも何かしらの簡単な料理を作って振るまったりできれば、それこそがスマートバーベキューだ。
で30分前に準備していたものがこれ。

炭の表面が真っ白になっているのがわかる。
こうなったらやっとスタートラインと呼べるらしい。

炭を正しく並べる

グリルに炭をあけたら正しく並べてバーベキューをするために準備をする。
普通なら満遍なく平らに並べるのがセオリーだろう。

うちのメンバーでのバーベキューでもグリルゾーンと待避ゾーンと分ける方法、だが本物は一味も二味違う。

炭を坂のように並べることで、弱火ゾーン、中火ゾーンに分けるのがツーゾーンファイヤー。
そして完璧に火力を支配できるのが中火ゾーンも加えたスリーゾーンファイヤーだ。
炭を全く置かない保温ゾーンである弱火ゾーン、炭を1層にした中火ゾーン、炭を2層にした強火ゾーンとなる。

ミシシッピーテストで温度を測る

そしてこの温度を測る方法がミシシッピーテスト
人の肌の耐熱温度は個人差がほとんど変わらないので、温度を簡単に図るにはこの方法が有効らしい。

その方法は焼き網から20cmほど上に手をかざし、「ワンミシシッピー、ツーミシシッピー」と数える方法だ。
スリミシシッピーと言い終わるまで耐えられない温度が200℃を超える強火ゾーン、4から5なら170℃ほどの中火ゾーン、10以上数えられればそこは140℃以下の弱火ゾーンと推測できる。

これをゲームとしてみんなで行えばこれだけでも準備時間を十分楽しく過ごせるはずだ。

バーベキューの前に必ず行う儀式

パーベキューを行う前に必ず行う儀式がこれだ。

焼き網の準備。

これを怠ると清潔で安全かつ片づけの手間を楽にできなくなる。

まずは焼き網にオリーブオイルをハケでしっかりと塗る。
サラダオイルでは酸化してしまうので、ここはオリーブオイルを使う。

もちろん塗るのは最初だけで構わない。
なぜならあとは焼いた肉から油が自然と補充されるから。

そして焼き網をセットしたらグリルブラシでキレイにする。

これでバーぺキューを始める下準備がすべて整った。

ここからは実際にバーベキューを体験することになるのだが、結構長くなったので次回に後編に続く。

東京で開催の日本BBQ協会認定の初級BBQインストラクター検定を受けてみた 中編

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たいちょー

栃木で活動する雑記ブロガー。 栃木県の観光に役立つグルメやスポット情報を中心に紹介 | 栃木のグルメ・観光情報の発信(たまに他県も)/気になったことを自由にダラダラ綴ります | 社畜ゆえ多忙になるとメシネタ過多になります。

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