茨城県大洗町にある大洗磯前神社(おおあらいいそさきじんじゃ)は、太平洋を眼下に構える丘の上に鎮座する神社。
斉衡3年(856年)12月29日に御祭神である大己貴命と少彦名命が神磯の舞台へと御降臨になり、その後に創建されたのが1100年以上の歴史を持つ大洗磯前神社。
神々しい絶景のパワースポットとして有名で、海岸の岩礁の上に立つ神磯の鳥居越しの日の出はまさに美しいのひとことに尽きる。
初日の出を拝めるスポットでも最強に数えられるほど。
今回はそんな大洗磯前神社に行ってみた。
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目次(タップできる)
大洗磯前神社
大洗磯前神社は斉衡3年(856年12月29日に御祭神である大己貴命と少彦名命が神磯の舞台へと御降臨になり、その後に創建された1000年以上の歴史を持つ神社。
創建当時の名は「大洗磯前薬師菩薩神社」、江戸時代になり「大洗磯前大明神」と呼ばれ、明治時代に現在の名である「大洗磯前神社」となった。
永禄年間の兵乱により社殿が消失していたが、徳川光圀公がこれを嘆き元禄3年(1690年)より御造営が始まり、享保15年(1730年)に現在地に変還再建された。
大鳥居
大洗磯前神社へは車なら東水戸道路を水戸大洗ICで降り5.5km15分ほど、電車ならで鹿島臨海鉄道大洗鹿島線大洗駅から循環バスで15分ほどの場所にある。
サンビーチ通りと大洗海岸通りの交差点には県道をまたぐようにコンクリート製の巨大な一の鳥居がそびえ立つ。
かつてはここより先が境内であった名残りで、もとは木造の神明型鳥居だったが腐朽が目立ったために昭和38年に鉄筋コンクリート造りの高さ15.6m、笠木の長さが22.42mという明神型の一の鳥居として生まれ変わった。
ここよりさらに先へと進めば海に向かって構える二の鳥居が鎮座する。
かつては二の鳥居から先はすぐ海岸だったという。
二の鳥居に背を向けて海岸へと小道を進めばその先が神磯の舞台、そして岩礁の上には神磯の鳥居が鎮座する。
※早朝の砂浜に降りて撮影
鳥居が建てられたのは比較的新しく、明治38年(1963年)になるという。
ちなみに神聖な場所ゆえに、岩の上に昇ることは禁止。
二の鳥居の先には91段の階段があり、その先にも鳥居が見える。
劇場版ガルパンではこの階段をⅣ号戦車で駆け下りた。
聖地巡礼のスポットでもある。
残念ながらここからは神磯の鳥居は拝見できないようだ。
階段を登ればその先には髄神門が姿をあらわす。
手水舎
階段を登り髄神門をへと向かう途中、右手には手水舎。
こちらの御神水は神社の湧き水で、その水は病気に効くと言われている。
髄神門
歴史を感じさせる風格ある髄神門の。
その左右ではめずらしい茶色の狛犬が鎮座する。
なんとこの狛犬、岡山県の備前焼で作られたものらしい。
関東の交通の要所でもあった大洗は、海路により西からの物資も盛んに運ばれてきた。
その時ここに立寄った際に奉納されたのが、この備前焼の狛犬と言われている。
門の格子窓の前には福の神さまが鎮座。
大国さまと恵比寿さまは大洗磯前神社の御神祭。
たくさん撫でて「大福」をいいただこう。
拝殿
髄神門をくぐれば正面に拝殿が姿をあらわす。
後日撮影。
なんとも色鮮やかで特徴的な彫刻が施された拝殿だろうか。
しかもどことなく見覚えがある。
それもそのはず、大洗磯前神社が再建されたのは元禄時代。
まさに日光東照宮と時を同じくして建てられたものだけに、東照宮までではないものの細部の飾りや彫刻が似ている部分が多い。
拝殿横からは茅葺屋根の立派な御本殿を拝むことができる。
ガルパン神社は公認なのか?
拝殿前左には2019年の干支である大絵馬が飾られている。
そして右側にはガルパン劇場版最終章公開の宣伝も兼ねたガルパン大絵馬が奉納されていた。
この大絵馬、2012年から毎年正月の風物詩になっているようだ。
こちらの絵馬にもガルパンのものが多い。
ガルパン神社と呼ばれるのは不謹慎かと思ったが、さすがにここまでになると容認しているということでいいのだろうか。笑
御祭神や御神徳
大洗磯前神社は大己貴命(大国主命)と少彦名命をを御祭神とする。
昔から大黒様・恵比寿様と親しまれてきたことから、「家内安全」「商売繁盛」「福徳円満」「良縁成就」「開運厄徐」や「酒造」「病難治療」の御神徳があるとされいる。
また、心を込めて祈願すれば必ずお聞き届けて下さると伝えられている。
6つの境内社が鎮座する
また境内には6つの境内社が鎮座している。
本殿右手には天照皇大神を祀る大神宮、建葉槌命・手力雄命・高皇産雲尊・思兼神を祀る静神社、天御中主神・安徳天皇・建礼門院二位尼を祀る水天宮がある。
左手には玉依比売命・大帯姫命・応神天皇を祀る八幡宮、罔象女命を祀る水神社、大物主命を祀る大杉神社がある。
また神社周囲にもいくつもの神社などが点在するので、一緒に参拝して巡るのいいだろう。
神磯の鳥居が神々しすぎる
大洗磯前神社といえは、神磯の鳥居が有名。
平安時代に大洗磯前神社の御祭神の「大己貴命(おおなむちのみこと)」と「少彦名命(すくなひこなのみこと)」がご降臨された「神磯の舞台」に立つ鳥居。
徳川光圀公もこの景観を称えたほど。
岩礁に立つ鳥居はまさに絶景の映えるスポットだ。
その姿は神々しく、神磯の鳥居越しの初日の出を写真に収めようと人が早朝、まだ真っ暗なうちから集まり混雑する。
この日は2019年1月12日とタイミングをずらして訪問。
あいにくの曇り空だが、それでも日の出の時間には50名くらいは来ていた。
快晴ならば神磯の鳥居越しの日の出を拝むことができる。
なんとかかすかに太陽が顔をのぞかせている。
太陽は見えないが朝焼けでも十分神々しい。
元旦の0時には勇壮な荒磯太鼓が奉納され参拝者に甘酒が振る舞われ、日の出である6時45分には初日の出奉拝式が執り行われる中で初日の出を拝むことができる。
荘厳な空気の中拝む初日の出により、きっとよい1年を迎えられることだろう。
大国様ゆかりの絵馬やお守り
髄神門をくぐり左手には絵馬が置かれている。
大国さまといえば、出雲の因幡の白兎が有名だ。
そんな大国さまにゆかりのあるウサギの絵馬など数種類があった。
「ニ福神絵馬」「大国絵馬」「うさぎ絵馬」「干支絵馬」の4種類で、ガルパンの絵馬は置いてなかった。
ちなみにどれも500円を自分で納めるようだ。
門の右手に授与所がある。
大国さまに打ち出の小槌が描かれた開運お守り(800円)、神磯の鳥居が描かれた神磯開運守(1,000円)などをいただくことができる。
カードタイプのお守りは携帯性がよいのでおすすめだ。
もちろんここでしかいただけない限定御朱印帳もある。
神磯の鳥居が描かれた御朱印帳はここでした手に入らない。
御朱印
御朱印は境内右手にある社務所(500円)でいただける。
軍艦那珂忠魂碑と大洗海洋博物館
髄神門から左手に鎮座するのが軍艦那珂忠魂碑。
軍艦那珂の慰霊碑であるが、いわゆる艦これでいうところの聖地のひとつになるのだろう。
それゆえに神社の絵馬に艦これのイラスト入りのものが混じっていたりする。
さらに先に進むとあるのは、大洗海洋博物館。
水産業に関わり合いの深いことから、大洗磯前神社の鎮座1100年を記念し、参拝者(特に学生)に島国日本としての理解と関心を高める目的のもと昭和34年に設立された。
その後平成9年8月の御鎮座1140年を記念してここに新築・移転されたという。
こちらは参拝者用の休憩所。
真新しくて解放感のある休憩所と比べて、施設右側にある大洗海洋博物館は年季が入っている。
こちらは移築した建物のようだ。
※写真がこれしかなかった
水産業の資料や実物、海洋生物の標本など貴重なものが展示されている。
興味のある人は寄り道してはどうだろうか?
開館時間 4月~9月 8:30~17:00
10月~3月 8:30~16:30
休館日 水曜/12月31日
入館料 大人500円/中高生300円/小学生以下200円
大洗磯前神社の詳細
大洗磯前神社
住所 茨城県東茨城郡大洗町磯浜町6890
TEL 029-267-2637
参拝 自由
授与所 9:00~16:00
アクセス 電車 大洗鹿島線「大洗駅」より約2.5km15分
車 北関東自動車道「水戸大洗IC」より約5.5km15分
駐車場
大洗磯前神社の駐車場は一の鳥居をくぐり左手にある坂道を上がった先にある。
早朝には灯篭に灯がともっていてわかりやすい。
また神磯の鳥居へは大洗公園など周囲に無料の駐車場があるのでそちらを利用するとアクセスしやすい。
駐車場は髄神門に向かって左に進んだ奥の右手にある。
ちゃんと鳥居をくぐって階段下から参拝したい場合は、手間はかかるが一旦駐車場から坂道を徒歩で降りて参拝するといいだろう。
最後に
大洗磯前神社は1100年以上の歴史をもつ、創建当時より親しまれてきた神社。
最強の初日の出の拝めるパワースポット。
ガルパンの人気によりマニアの間では「ガルパン神社」として有名となり、聖地巡礼として訪れる参拝者も多くなった。
今回神磯の鳥居から拝む日の出を求めて参拝したので、時間が早すぎたのと滞在時間がなかったのもあり御朱印をいただくことができなかった。
後日再び参拝し御朱印を頂いたが、もし神磯の鳥居の日の出と御朱印をいただくつもりなら周辺施設で朝食をとるなどしてから改めて参拝するといいだろう。
次回こそは神磯の鳥居で日の出を拝みたいものだ。
ちなみにガルパン最終章は2019年6月15日より絶賛上映中。
※2019年7月6日時点