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かしわずしの食事付きの怪談イベント「夏の終わり怪談話」に行ってきた

夏も終わり、秋の気配を感じるようになってきた。
そんな夏の終わりを惜しむかのように、栃木市にあるかしわずしにて、面白そうな怪談イベントが開催されるという。
民話や怪談を聞きながら、そのお話にちなんだ料理を提供するという、民話と食事が融合した面白い試みだ。

開催されたのは2017年9月17日18時。
あいにくの台風の迫るなかでの開催となったが、当日集まったのは14名ほど。
年齢層は10代以下ぐらいから老若男女が集まるものかと想像していたが、集まったのは大人ばかり。

想像とは違ったが、まぁこれはこれでアリなのだろう。
本格的な語り部による怪談話がいったいどんなものなのか楽しみだ。


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夏の終わり 怪談話

民話にちなんだコース料理を提供するという面白い試み。
そのメニューはこんな感じ。

民話のタイトルとそれにちなんだ面白い料理名の数々。

そして登場するは、今回の語り部である山本倶子さん(だと思う)。

抑揚のある独特な口調で語られる民話は、自然とその情景が頭に浮かんでくる。
状況に応じて変えられる口調は臨場感があり話に惹き付けられる。

料理とコラボした12の民話だけでなく突発でふられた民話にも対応するその引き出しの多さはハンパない。
そのすべてを台本などがあるわけでもなく頭の中に入っているというのだから、これこそまさに語り部。

2時間半ほどのイベントで、およそ17本の民話に、ラストに耳なし芳一などの怪談話で幕を閉じる。

最初こそこの雰囲気苦手だなーと思っていたが、時間の過ぎるのを忘れるほどでとても満足感のあるものだった。
これは大人ばかりではなく、是非子供などにも聞かせるべきものなんじゃないかと感じた。

コラボ料理の数々

そして忘れてはならないのが、民話とコラボした料理の数々だ。
すべての料理が先に用意されているのではなく、民話が1つ語られるるごとにそれにちなんだ料理が出されるというとてもゆったりしたコース料理となっている。

その料理の数々がこれ。

毛蟹と子持ち昆布のお浸し

まずはカニの恩返しに見立てた、毛蟹と子持ち昆布のお浸し。

宮城県産毛蟹、カナダ産子持ち昆布などが使われたものだ。

食べた瞬間に思う。
この食感最高すぎる、と。

口の中に広がる毛蟹の旨味にウニのトロッとした食感が絶妙に絡み合う。
子持ち昆布や海ブドウのプチプチした食感もさることながら、このいくらもしっかりとした弾力があり食べ応え抜群。

そしてこの出汁の効いたジュレがいいアクセントになっている。
最初から美味くてやばい。

 

白子の天麩羅雪根藤

続いてお藤さまにちなんだ、白子の天麩羅雪根藤だ。

真鯛白子、白雪おろし、穂紫蘇が使われている。

穂紫蘇がとても映える。

穂紫蘇を添えていただく。

トロッとしてクリーミーな食感の白子は繊細かつ濃厚な旨味を蓄えている。
さっぱりした白雪おろし(おろし大根)の風味もよく合う。

 

栄螺の田舎煮

続いては田螺(タニシ)長者にちなんだ栄螺(さざえ)の田舎煮。

宮城県産栄螺を旨出汁しで味付けし、三つ葉を添えたもの。

ほどよい味付けされたサザエはコリコリの食感がクセになる。
肝の苦味は酒がすすみそうだ。

最後に旨味が濃縮した汁をいただくと、これがまた格別の美味さ。

 

地鶏の茶臼味噌香味焼き

次は烏を食べた爺様の話にちなんだ、地鶏の茶臼味噌香味焼き。

さすがに烏を食べるわけにいかないので、国産地鶏に茶臼米味噌と香味野菜を乗せ焼いたものだ。
「じっだんぶっくりぶー」という奇妙なおならに悩まされる心配もなさそうだ。笑

茶臼味噌の甘味とコク、香味野菜の風味が鶏の旨味を倍増させる。
程よい食感と焼き加減の地鶏がたまらなく美味い。

これをおかずにご飯1杯は余裕。笑

 

天狗の鼻に見立てた松茸の土瓶蒸し

次は磯山の天狗にちなんだ天狗の鼻に見立てた松茸の土瓶蒸しだ。

ブータン産松茸、鱧、海老、銀杏を使った贅沢な一品。

日本の松茸に引けを取らないというこだわりで作られた松茸からは、とても豊潤な香りを湯気とともに振りまいている。
さっそくひとくち。

口に含んだ瞬間に広がるその豊潤な香りが鼻腔を突き抜ける。
松茸の風味と鱧の旨味が凝縮されている。

大ぶりにカットした松茸の食感も最高。

これはやばいの一言につきる。
1リットルくらいは余裕で飲み干せそうだ。笑

ワンドリンク付きに加え、日本酒や焼酎の提供もされているのだがいかんせん車で来ているのでウーロン茶片手というのがとても残念だ。

穴子煮

続いは、星宮神社の鰻にちなんで、鰻を食べると目が潰れるので穴子煮だ。

駿河湾産穴子を特製ダレで味付け、千切りにした胡瓜が添えられている。

甘味のあるタレで味付けされ、とても上品な味に仕上がっている。
小骨などもまったく気にならないほど。
そしてキュウリのあっさりした風味とシャキシャキした食感もいい。

 

極上活〆鐘ヶ崎甘鯛の蕪蒸し

グジの話にちなんで、極上活〆鐘ヶ崎甘鯛の蕪蒸し。

甘鯛を蕪蒸しにしたものに旨出汁餡で味付けをし、銀杏や炙った鯛の皮などが添えられたもの。

さっそくひとくち。

ふっくらした鯛の身、蕪のふわっとした食感がたまらない。
薄めに味付けされたとろみのある旨出汁餡が素材の美味さを阻害しない。
芳ばしい風味のパリッとした鯛の皮と食べるとまた印象がかわってくる。

なかなか繊細な一品だ。

 

海鮮とろろ飯

続いては時鳥の兄弟にちなんだ、海鮮とろろ飯。

すりおろした大和芋に旨出汁しで味付けをしたものに、マグロやカニ、ウニなど色々な海鮮具材を使用したもの。

ひとくちサイズといわずどんぶり一杯くらいをガッツリといきたくなる。
とろろの風味とのど越しがたまらない。

 

小肌の成魚 コノシロの握り

続いてはコノシロにちなんだ、小肌の成魚コノシロの握り。

小肌の握りには炙った骨が添えられている。

桜でんぶの甘味、ゆずの風味が効いている。
酢で〆られた小肌はクセもなくすんなり食べられる。

 

栃木北洋 内田オヤジの目玉煮

目玉の親父にちなんで、栃木北洋の内田社長協賛の内田オヤジの目玉煮だ。

存在感抜群な本鮪の目玉はDHAコラーゲンたっぷりだ。

脂も濃厚で、プルプル食感の身は鮪の風味をこれでもかと感じさせてくれる。

 

まぐろの牡丹餅

お仕置きされた阿弥陀様にちなんだ、まぐろの牡丹餅。

本鮪、たくあん、がりを加え、九州醤油で味付けたなめろうを乗せた牡丹餅。
海苔で包んでいただく。

これまた美味い!
食感といい、醬油の味付けといいつまみに最高な味だ。
ひとくちで食べてしまうのがもったいない。

まぁ食うけど。笑

 

栗の渋皮煮

最後は三枚の御札にちなんだ、栗の渋皮煮。

新栗の渋皮煮に生クリームを絡めて食べると、あっさりしたモンブランのような風味になる。

栗の甘味も甘すぎないので〆のデザートにばっちりだ。

 

最後に

気づけば2時間半が過ぎていた。
長いようであっという間の2時間半だった。

美味い料理に引き込まれるような巧みな話術の民話。
最初はとりあえずイベントのために考えられたコースメニューが食べられればいいやぐらいに思っていたのだが、想像していたものと全然違ってとても面白かった。

映像や画像コンテンツにより想像する必要のないものに慣れてしまっている現代。
言葉からその情景を想像するというのは、想像力の発達にとてもよさそうだ。

民話イベント、一度試してみるのもアリなんじゃないだろうか。

 

 

かしわずし
住所 栃木県栃木市大平町西野田655-8
TEL 0282-43-3744
営業時間 11:30~14:00/17:00~21:30
定休日 木曜日(宴会時は臨時営業可)

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